「毎日18単位こなして、気づけばカルテ記載で残業…。」
理学療法士なら誰もが一度は感じたこの“終わらない日常”。
「どうして定時で帰れないのか」「18単位ってそもそも何の基準なのか」──
多くの現場が抱える“見えない仕組み”のせいで、私たちは時間を奪われ続けています。
しかし、もしこの「18単位」という数字の意味を正しく理解し、
法律・時間管理・キャリア設計の視点から“味方”につけられたらどうでしょうか?
この記事では、
- なぜ18単位で残業が発生するのか
- どうすれば残業を減らせるのか
- そして、18単位を“生産性アップの武器”に変える方法
を、現場のリアルと具体的戦略で徹底解説します。
「もう残業を前提に働くのはやめたい」と思うあなたへ──
今日の記事が、あなたの働き方を根本から変える第一歩になります。
Contents
なぜ「リハビリ18単位」で残業が発生するのか?
理学療法士・作業療法士の多くが「18単位で定時に終わらない」「毎日残業している」と感じたことがあるでしょう。
制度上は「18単位=6時間のリハビリ提供」とされているのに、なぜ現場では“残業前提”になってしまうのか?
その構造的な理由を掘り下げて解説します。
単位算定ルールと18単位の基準とは
リハビリの「単位」は、保険制度で定められた20分あたり1単位の時間的・経済的な基準です。
つまり、18単位=6時間のリハビリ提供を意味します。これは、
「午前9時〜午後4時(昼休憩1時間除く)」を想定すれば、1日分の標準業務量に近い数字です。
ただし、ここで注意すべきは「18単位=勤務時間6時間」ではなく、リハビリ提供時間が6時間という点です。
実際の勤務時間(8時間労働)に加え、以下のような業務が存在します。
- カルテ・SOAP記載
- 担当者会議・情報共有
- ベッド移動や送迎補助
- 書類・計画書の作成
- カンファレンス参加
そのため、18単位を“こなす”だけで1日の勤務が埋まるのではなく、
「付随業務の時間」を考慮しなければ、残業せざるを得ない構造になっているのです。
「残業の背景には“単位ノルマ”の存在があります。【理学療法士の単位ノルマの実態】も詳しく解説しています。」
法律上の標準 vs. 実務のズレ
制度上は、1人のリハスタッフの上限は24単位/日(=8時間のリハ提供)まで。
さらに、週108単位(=36時間)の上限も設定されています。
しかし、これは“請求上の上限”であり、実務上の適正稼働量とは異なります。
現場では「18単位を標準」としつつも、実際は
- 担当患者の入れ替わりによる待機時間
- 記録・申し送り・移動のタイムロス
などによって、18単位を行うだけで所定時間をオーバーすることが常態化しています。
「18単位超え=残業」の仕組み
「18単位って6時間なのに、どうして19時まで残るの?」
この疑問の答えは、“臨床以外の時間”が労働時間を圧迫しているからです。
① カルテ記載・書類業務の時間が取れない
18単位を実施すると、実質的に6時間×3枠=18人分の20分を連続で回す状態です。
患者ごとにリハ終了後にSOAPを書く時間がなければ、記録業務はすべて業務後に持ち越し。
これが1人あたり3〜5分でも、1日で1時間近い残業要因になります。
② 移動・準備・後片付けが「見えない残業」
病棟間の移動やベッド調整、物品準備など、
“単位に含まれない”が避けられない作業が意外と多いのも現実。
とくに急性期・回復期では1人の患者に複数スタッフが関わるため、
連携や引き継ぎの時間が発生し、1日あたり30〜60分の“隠れ労働”が増えていきます。
③ 会議・カンファレンスが業務時間外に設定される
「日中は患者対応で時間が取れない」という理由から、
カンファレンスやミーティングが定時以降に行われるケースも多いです。
その結果、18単位=フル臨床+残業前提のスケジュールになってしまうのです。
【まとめ的視点】「18単位」は“上限ギリギリ”である
リハビリ職の1日は、単位算定の6時間+周辺業務で構成されています。
つまり、18単位は制度上「標準」とされながら、実質的には“上限近い負荷”です。
残業を減らすには、
- 業務の分担(助手・事務補助)
- 記録効率化ツールの導入
- カンファレンス時間の見直し
といった組織的な改善が不可欠。
「18単位で残業が出るのは自分のせいではない」──
制度と現場のズレを理解することが、まず最初の一歩です。
実際に月間どれくらい残業しているの?現場のリアル
「リハビリ18単位で残業になるのはおかしい」「自分だけ業務が遅いのか?」──そんな疑問を抱く理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)は少なくありません。
実際、リハビリ職の月間残業時間は平均5〜7時間前後というデータがあり、これは決して一部の人だけの問題ではありません。
ここでは、現場データと職場タイプ別の傾向を踏まえて、リアルな働き方を具体的に見ていきましょう。
平均残業時間は月5〜7時間
全国の理学療法士協会や求人統計などの調査によると、
PT全体の平均残業時間は月5.5時間前後と報告されています。
つまり、週に1時間〜1時間半ほどの残業ペース。
これは「毎日1時間の残業」というより、
「数日に一度は18単位が押して定時を超える」イメージに近いでしょう。
「そもそも“単位制度”を理解しておくと、なぜ残業が発生しやすいのかが見えてきます。【リハビリ単位制度の基礎】はこちら。」
現場の声を見てみると…
- 「18単位こなしても記録が追いつかず、1時間は残業」
- 「病棟間の移動が多く、実質19時上がりが当たり前」
- 「若手が多い職場で効率化が進まず、全体で残業している」
このように、制度上は18単位=6時間でも、
実務上は付随業務を含めて7〜8時間を要するのが実態です。
特にカルテ記載や情報共有の時間が確保できない職場ほど、
“定時で終わることが難しい構造”になっています。
職場タイプ別の差
同じ18単位でも、「どの職場で働くか」によって残業時間は大きく変わります。
以下のように、病期・勤務形態・施設種別で傾向がはっきり分かれます。
急性期病院:18〜21単位で残業多め
急性期では、1日あたりの単位数が18〜21単位になるケースが多く、
カルテ記載や申し送りも含めると月7〜10時間前後の残業が発生しやすいです。
理由としては、
- 担当患者の変動が激しい(退院・転棟が多い)
- 医師・看護師・ソーシャルワーカーとの連携業務が多い
- カンファレンスや多職種会議が定時後に組まれる
など、「リハ以外の時間」が勤務時間を圧迫しています。
一方で、経験値を積みやすいというメリットもあり、
「若手のうちは残業してでもスキルアップしたい」という意識が根強い職場でもあります。
回復期リハビリテーション病棟:平均的な18単位前後
回復期では18単位を基準に組まれることが多く、
平均的な残業時間は月5時間前後。
ただし、チーム単位での連携が多いため、
カルテ記載や情報共有の時間は夕方以降に集中しやすく、
結果的に“短時間残業”が常態化している施設もあります。
また、病棟によっては「1単位でも多く算定したい」という経営方針から、
19単位や20単位を求められるケースもあり、
そうなると一気に残業時間が増える傾向にあります。
訪問リハビリ・デイサービス:残業ほぼゼロ
対照的に、訪問リハビリやデイサービスでは残業がほぼ発生しません。
訪問リハでは1件あたりの訪問時間が明確に区切られており、
記録もタブレットで即入力できるなど、
時間管理がしやすいシステムが整っています。
また、デイサービスでは運営時間が固定されており、
送迎時間=就業時間の終わりになるため、残業が物理的に難しい環境です。
ただし、「リハビリ量よりも送迎や雑務が多い」「単位ではなくシフト制で動く」など、
臨床負担とは別の“労働時間の長さ”を感じる人もいる点には注意が必要です。
【現場リアルまとめ】
| 職場タイプ | 1日単位数目安 | 平均残業時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 急性期病院 | 18〜21単位 | 月7〜10時間 | 患者変動・会議多く残業しやすい |
| 回復期リハ | 17〜19単位 | 月5時間前後 | チーム連携で短時間残業あり |
| 訪問リハ | 12〜15件(1件1〜2単位) | 月0〜2時間 | タイムマネジメントしやすい |
| デイサービス | 6〜10単位 | ほぼ0時間 | 時間固定制で残業少ない |
「残業が当たり前」から抜け出すために
18単位で残業が常態化している職場では、
構造的に時間配分が破綻している可能性があります。
「周囲も残っているから仕方ない」と我慢するよりも、
- 業務分担(記録補助・助手導入)の有無
- カルテシステムの効率性
- 管理職の残業管理意識
など、環境の見直しや職場選びが重要です。
「残業の少ない職場=仕事量が少ない」とは限りません。
効率的に働ける仕組みのある職場こそ、長く続けられる環境といえるでしょう。
残業が慢性化する原因は?悩みと本音を深掘り
「毎日18単位を終えても、気づけば19時を過ぎている」──
そんな“慢性的な残業”に悩む理学療法士・作業療法士は少なくありません。
単位数は制度上の基準であるはずなのに、なぜ現場では残業が常態化するのでしょうか?
ここでは、現場で働くスタッフの声と、構造的な原因を深掘りします。
業務効率が上がらない本質的理由
「もう少し手際よく動ければ残業は減るのでは?」
そう感じて自分を責めてしまう人も多いですが、問題は個人のスピードではありません。
リハビリ業務は構造的に「時間の見通しが立てにくい仕事」であり、
効率化だけでは解決できない要素が多く存在します。
① 情報整理・優先順位づけが難しい
リハビリ職は、1日の中で患者ごとの状態変化、家族対応、看護師・医師との連携など、
“予定外のタスク”が次々に発生します。
新人や中堅でも、慣れるまでは優先順位の判断力が追いつかず、
結果として「業務が後ろ倒し」→「残業で記録対応」という悪循環に陥りやすいのです。
また、施設によっては「午前に評価・午後に治療」といった構成上の制約があり、
スケジュールを自由に組みにくいことも一因です。
② 患者数・重症度の高さに比例する負担
回復期や急性期では、1人あたりの対応時間こそ20分単位で区切られていますが、
重症患者が多いほど「移乗・更衣・準備・終了処理」に時間がかかります。
つまり、“算定していない時間”にも労働が潜んでいるのです。
特に入院患者の多い病棟では、
- ベッドからの移乗補助
- オムツ交換や体位変換
- ナースコール対応の協力
など、臨床外のサポート業務が発生し、結果的に18単位であっても定時に終わらない構造が生まれています。
カルテ記載・書類対応の量と手間
リハビリ職の残業原因として最も多いのが「カルテ記載の時間」です。
患者1人につき、SOAP・ADL記録・計画書・報告書と複数の書類が存在し、
しかも法的根拠のため削減が難しい業務です。
① テンプレート化の限界
多くの病院や施設では「テンプレート化」「定型文登録」による効率化を進めています。
しかし、患者の個別性が高いリハビリでは、
テンプレートをそのまま使うと内容が形式的になりやすく、
結果的に「修正に時間がかかる」という本末転倒な事例も見られます。
② 記録タイミングの問題
18単位をこなすスケジュールでは、
日中にカルテ記載の時間を確保する余裕がほとんどありません。
多くのスタッフは“臨床後にまとめ書き”をしており、
これが残業の直接的原因になっています。
特に電子カルテシステムの操作性が悪い施設では、
「1患者あたり記録5分×18人=90分」の記録時間が日々積み重なり、
月間で20時間以上の“非公式残業”が発生しているケースもあります。
組織ルール/評価基準に問題があるケース
残業が慢性化している職場では、個人の努力ではなく組織の構造に問題が潜んでいます。
① 「18単位以上ノルマ」が常態化している
一部の施設では、「請求単位を増やすこと=生産性の高さ」と評価される傾向があり、
スタッフ1人あたりに19〜21単位を割り当てるケースも見られます。
その結果、
- 実質8時間以上の臨床
- 記録は勤務時間外
- 休憩を削って対応
というサービス残業構造が固定化してしまうのです。
これを是正するには、単位目標を管理職レベルで見直す必要があります。
② 残業前提の文化
「みんな残っているから帰りづらい」「先輩がまだいるから帰れない」──
こうした同調圧力も、リハビリ職場特有の問題です。
とくに若手が多い職場では、「頑張りが評価される=残業すること」という誤った価値観が根付いており、
結果的に非効率な働き方が放置されるケースが少なくありません。
「残業をしても生活が苦しいと感じる方は、【理学療法士の生活レベル】から現状を見直してみましょう。」
③ 評価制度が業務量偏重
「単位数=評価」「残業=努力」という評価構造のままでは、
スタッフは“質より量”に追われます。
この構造が変わらない限り、どれだけ効率化しても残業は減らないのです。
まとめ的視点
「リハビリ18単位」は、制度上の基準ではあっても、現場では限界に近い負荷量です。
残業の原因は“個人の段取り”ではなく、
- システムや組織構造の非効率
- 記録業務の負担
- 評価制度の歪み
といった構造的な問題が大部分を占めます。
もし「毎日定時で帰れない」と感じているなら、
まずは「自分のせいではない」と理解し、
業務体制そのものを見直す視点を持つことが大切です。
「ここでしか得られない」+αの独自視点
「リハビリ18単位なのに毎日残業」「サービス残業が当たり前の職場は違法では?」
そう感じていても、何が“法律的にアウト”なのか明確に説明できる人は少ないのが現実です。
ここでは、労働基準法の観点からブラック職場を見抜く方法と、
業界ではまだ浸透していない「時間当たり単位」という新しい評価視点、
さらに残業を減らすための優先順位づけ法をセットで解説します。
この記事は、単なる愚痴や共感ではなく、“仕組みから抜け出すための実践的視点”を提供します。
法律と数字で見極める「ブラック職場」
① 労基法・36協定の基本ルール
まず知っておくべきは、労働基準法では1日8時間・週40時間を超える労働は原則禁止という点です。
これを超える場合は、36協定(サブロク協定)による労使間の合意が必要になります。
したがって、
- 1日18単位(6時間)+カルテ記載や会議で実質9時間勤務
- 36協定がない or 明示されていない
このような職場は、形式上の違法状態に陥っている可能性があります。
② 残業代が支払われていないのは“完全にアウト”
「固定残業」「みなし残業」などの名目で、残業代を支払わない施設もありますが、
実労働時間の記録(タイムカードや電子打刻)が残っていれば、
後からでも未払い残業代を請求することは可能です。
厚生労働省が提供している「労働条件相談ほっとライン」や、
都道府県の労働基準監督署に匿名で相談することもできます。
サービス残業を放置するのは「善意」ではなく、搾取を助長する構造維持になりかねません。
「残業しても給料が上がらないと感じる場合は、【給与が上がらない仕組み】も知っておくと納得感が違います。」
単位当たり時間ではなく「時間当たり単位」で評価を可視化
現場で「18単位=6時間リハを提供しているのに、なぜ残業になるのか?」という問題は、
“単位をこなした数”でしか評価していない構造に原因があります。
① 業界の常識を逆転させる「時間当たり単位」指標
多くの施設は「単位をどれだけ算定したか」で成果を見ますが、
これでは個々の業務効率や環境差が全く可視化されません。
そこで提案したいのが、「単位 ÷ 労働時間」=時間当たり単位という新しい指標です。
例えば次のようなケースを比較すると、効率の違いが一目で分かります。
| 職員 | 勤務時間(実労働) | 算定単位 | 時間当たり単位 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Aさん | 8時間 | 18単位 | 2.25 | 高効率、定時退勤可能 |
| Bさん | 9時間 | 18単位 | 2.0 | 1時間残業 |
| Cさん | 10時間 | 18単位 | 1.8 | 長時間労働傾向 |
このように「単位数」ではなく「効率」で見る評価を導入すれば、
「頑張っている=残業している」という誤った価値観を是正できます。
さらに、時間当たり単位のデータを部署単位で共有することで、
チーム全体の業務ボトルネックを数値的に特定することも可能です。
② 現場への導入メリット
- 労務評価の透明性が上がる(ブラック体質の抑制)
- 経営者が「生産性」ではなく「健全性」を指標化できる
- 個人間の残業格差を客観的に議論できる
業界全体が「単位数主義」から脱却するには、
こうした新しい評価軸の共有が不可欠です。
優先順位&時間管理で現場力アップ
いくら制度や評価を整えても、現場の時間感覚が曖昧なままでは残業は減りません。
ここで役立つのが、スティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』でも有名な
「重要度×緊急度マトリックス」です。
① 重要度×緊急度マトリックスとは
| 緊急度\重要度 | 高い | 低い |
|---|---|---|
| 高い | A:すぐ対応(急変対応・急なカンファ) | B:他者依存タスク(急ぎだけど重要でない) |
| 低い | C:準備・教育・自己研鑽 | D:雑務・惰性対応 |
現場では「AとB」に追われがちですが、
残業を減らすためには“Cの時間”をいかに確保するかが鍵です。
C(重要だが緊急でない)=「段取り」「準備」「整理」など、
未来の自分を助ける仕事を先にスケジュール化することで、
18単位をこなしても慌てない余裕が生まれます。
② リハ職流・時間管理の実践例
- 朝一番で患者リストを優先順位順に並べ替える
- カルテ記載時間を「昼休みの5分+夕方30分」と明確に区切る
- 共有タスク(申し送り・評価依頼)は定時前1時間までで締め切る
このように“時間の見える化”を徹底することで、
「毎日なんとなく遅くなる」状態を脱しやすくなります。
補足:転職・職場選びにも応用できる視点
面接や求人票を見る際には、
- 36協定の有無・残業代支給の実態
- 単位数の上限・1日の平均単位
- 記録時間を勤務内で取れるかどうか
を具体的に質問しましょう。
これらをチェックするだけで、ブラック職場をかなりの確率で回避できます。
制度・評価・時間管理──この3つを理解している理学療法士こそ、
“定時で帰れるプロフェッショナル”と言えるでしょう。
残業を減らす具体的対策と成功事例
「18単位を終えてもカルテが残る」「気づけば毎日19時」──
そんな“慢性的な残業”に悩むリハ職は少なくありません。
しかし、現場の工夫次第で、18単位でも定時退勤を実現した例は確実に存在します。
ここでは、職場単位・個人単位・キャリア単位の3方向から、
今日から実践できる改善策と成功事例を紹介します。
職場・リーダーシップが取り組むべき改善策
① 年間計画の策定で18単位配分に余裕をもたせる
多くの病院や施設では、「月ごと」「日ごと」の単位管理に追われています。
しかし、年間計画で平均化する視点を取り入れるだけで、
急な欠員や繁忙期の負担を減らせます。
具体的には、以下のようなスケジューリング法が有効です。
| 月 | 患者数予測 | 平均単位数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 4〜6月 | 新入職員教育期 | 16〜17単位 | 教育優先で余裕設定 |
| 7〜9月 | 繁忙期 | 18〜19単位 | 記録分担体制で補助 |
| 10〜12月 | 通常期 | 17〜18単位 | 業務改善期間 |
| 1〜3月 | 退院増期 | 18単位 | チーム内ローテ運用 |
このように「年間平均で18単位」を維持する戦略を取れば、
「毎日MAX稼働」というプレッシャーを減らせます。
② 公平分担制度(代診ルール・フレックス)の導入
残業の大きな原因は、“特定職員への負担偏り”です。
患者層や担当疾患によって、単位消化のしやすさが異なるため、
「手がかかるケースばかり引き受ける人」が固定化しがちです。
その解決策が代診ルール+フレックスタイム制。
- 欠勤や急変時は、チーム内で代診表を共有し「固定化しない」
- 勤務時間を前倒し・後倒しできるようにして、個人裁量で調整可能
これにより、チーム全体で残業を吸収できる体制が整います。
実際にこの制度を導入したある回復期病院では、
平均残業時間が月10時間 → 4時間に削減されたという報告もあります。
個人レベルでできる工夫
「組織はすぐには変わらない。でも、今日からできることはある」
ここでは、1人でも実践できる時短テクニックを3つ紹介します。
① カルテ記録はテンプレート+要点のみ
書類業務のボリュームを減らすには、
「1文1メッセージ」の原則を徹底することがポイントです。
例:
×「歩行訓練を行った。歩行距離は前回より伸び、バランス改善が見られた。」
→ ○「歩行距離+5m。バランス改善。次回:段差昇降訓練へ」
このように具体+短文+次回計画で構成すると、
1人あたり平均3〜5分の時短が可能。
18人分で約1時間短縮できます。
② 移動・情報収集を“予定化”する
「患者の移動」「ナースへの情報共有」「家族対応」などの周辺業務が時間を圧迫します。
これを“合間”にやると残業が膨れ上がるため、
あえてスケジュール内に「共有タイム」を組み込みましょう。
例:
- 午前:9:00〜9:15 情報共有タイム
- 午後:15:45〜16:00 申し送りタイム
これだけで「終業後にまとめて対応」する負担が激減します。
③ 重要業務を朝一に担う「時間ブロッキング」
時間管理の鉄則は、「集中力が高い時間に重要業務を置く」。
朝一の60分を“ゴールデンアワー”として設定し、
カルテ整理や評価・報告書作成などを午前中に前倒しします。
夕方に記録を回すと、疲労による思考鈍化や集中欠如で作業効率が下がるため、
結果的に「朝型勤務」が最も残業を減らす近道です。
転職・キャリアチェンジという選択肢
「仕組みを変えるより、環境を変える方が早い」──
そう考える人も増えています。
リハビリ職の働き方には、残業ゼロが実現しやすい分野も存在します。
「“残業が当たり前”の職場から抜け出したいなら、【転職で働き方を変えるコツ】もチェックしておきましょう。」
① 訪問リハ・デイサービス:残業ほぼゼロの働き方
訪問リハでは、1件ごとの移動と記録が自分の裁量で管理できるため、
「1日6件=18単位」で17時退勤が十分可能です。
また、デイサービスでは稼働時間が明確に区切られており、
「18時閉館=定時退勤」がルール化されている職場が多く見られます。
給与面でも、訪問リハでは月収30〜35万円前後+インセンティブが主流で、
「病院勤務より+3〜5万円高い」という例もあります。
② フリーランス・自費リハで独立する道
「臨床を続けながらも時間の自由を持ちたい」なら、
自費リハビリ/パーソナルリハへの独立も選択肢です。
例えば、
- 60分8,000円のパーソナルリハ×1日3件=日収24,000円
- 週4稼働で月収38〜40万円
といった形で、勤務リハよりも少ない時間で収入を確保するケースもあります。
もちろん、集客・顧客管理・確定申告など課題はありますが、
「働く時間と場所を選べる」という自由度は大きな魅力です。
最後に:残業削減の本質は「仕組み×選択」
18単位のリハ業務を定時で終えることは、不可能ではありません。
- 組織側は「仕組み(制度・分担・評価)」を整える
- 個人は「時間管理と記録術」で改善する
- そして限界を感じたら「職場を選び直す」
この3ステップを実践できる理学療法士・作業療法士こそ、
本当の意味で“キャリアに強いリハ職”です。
Q&Aコーナー(読者が検索で抱えやすい疑問に即応)
「リハビリで18単位やっても毎日残業」「どこまでが労働時間?」「サービス残業って違法?」
そんな疑問を抱えた理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の方のために、
ここでは現場でよくある“リアルな疑問”に法的・実務的観点から明確に回答します。
制度や慣習に流されず、自分の働き方を守るための“知る権利”としてお読みください。
Q. 18単位を超えたら100%残業ですか?
A. ほぼ確実に「定時内完結は難しい」と言えます。
まず、リハビリ1単位=20分。18単位=6時間の施術提供です。
ここで忘れてはいけないのが、「臨床以外の時間」です。
たとえば、
- カルテ記載(1人あたり5〜10分)
- 患者の入退室・移動補助
- カンファレンス・申し送り・チーム会議
- 書類作成や家族対応
これらを積み重ねると、1日あたり+1.5〜2時間の業務になるのが一般的です。
つまり、18単位をフルで実施すれば、定時の8時間勤務では収まらない構造になっているのです。
多くの職場では、「18単位+カルテ記載を定時で終えるのは不可能」と感じており、
実際に日本理学療法士協会の調査でも、1日平均残業時間は約30〜45分。
「18単位=フル稼働=実質残業」という構造は、現場全体の共通課題です。
Q. サービス残業は違法ですか?
A. はい。明確に「労働基準法違反」です。
「みなし残業」「固定残業」といった制度があっても、
実際に働いた時間がそれを超えれば、超過分は支払い義務があります。
もし次のようなケースに心当たりがあるなら、法的リスクがあります。
| 例 | 法的評価 |
|---|---|
| 打刻後にカルテ記載・会議参加を求められる | 明確なサービス残業(違法) |
| 「18単位終わらせた人から帰宅OK」という暗黙ルール | 超過労働の放置(36協定違反) |
| 残業代が基本給に含まれていると説明される | 適正な残業計算がされていない可能性 |
もし改善が見込めない場合は、
- 労働基準監督署への相談
- 厚生労働省「労働条件相談ほっとライン」(匿名OK)
- ユニオン(医療職系労働組合)への相談
これらの窓口を活用しましょう。
「忙しいから仕方ない」ではなく、“働いた分は正当に支払われる”のが当たり前です。
Q. 転職で「残業ゼロ」の現場は見つかりますか?
A. はい。業態によっては“残業ゼロ”が実現可能です。
病院・施設勤務はチーム単位での調整が多く、
どうしてもカンファレンス・他職種連携・報告書作業が発生します。
しかし、次のような業態では「自分のペースで完結できる環境」が整っています。
残業ゼロが現実的な職場タイプ
| 業態 | 平均残業時間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 訪問リハビリ | 0〜10分/日 | 自分でスケジュール管理。1日6件で17時退勤も可能 |
| デイサービス(機能訓練型) | ほぼゼロ | 開所・閉所時間が決まっており延長なし |
| クリニック(自費リハ・自由診療) | 0〜15分 | 予約制・定時締めで残業が生じにくい |
| フリーランス・業務委託 | 自由 | 時間を完全自己管理。報酬効率も高い |
特に訪問リハ・デイサービスは、
「定時で帰れる」だけでなく記録もスマホやタブレットで完結できるため、
仕事と私生活を両立しやすい環境です。
転職時は、求人票の「平均単位数」「残業時間」「記録時間の勤務内確保」などを
必ずチェックしましょう。
もし記載がない場合は、面接で次のように質問するのがおすすめです。
「1日の平均単位数と、記録時間は勤務内で確保できますか?」
この質問だけで、“ブラック体質の職場”をかなりの確率で見分けられます。
18単位残業の正しい理解がキャリアを守る
「18単位=残業前提」と思考停止せず、
- 法律(労基法・36協定)の基準を知る
- 自分の働き方を“見える化”する
- 必要なら環境を変える
この3つを意識するだけで、
「消耗型の働き方」から「持続可能なキャリア」へと一歩前進できます。
「リハビリ職だから仕方ない」ではなく、
“どうすれば仕組みを変えられるか”を考える理学療法士こそ、
次の時代を生き残るプロフェッショナルです。
「残業が減らないなら、副業で時間の使い方を変えるという選択もあります。【副業で働き方を整える方法】はこちら。」
18単位と残業をどう「味方」にするか
「リハビリ18単位」は、理学療法士・作業療法士にとって日常的な数字です。
しかし、それが“ノルマ”としての圧力になり、残業や疲弊の原因となっている現場も多いのが現実。
ここでは、18単位を「敵」にせず、むしろ“味方”として活かすための思考と戦略を整理します。
① 事実(ルール)と解釈(感情)を分けて、改善交渉に“法律と数字”を武器にする
まず大切なのは、「残業=気合と根性で乗り切るもの」という思考をやめることです。
リハビリ業界には、「患者のためだから」「臨機応変が大事だから」という言葉で
労働条件の問題が曖昧にされてきた背景があります。
しかし、事実(ルール)と感情(解釈)を分けて考えることが、
働き方を改善する第一歩です。
- 事実(ルール):1日8時間・週40時間を超える労働は原則違法。36協定で明示されていない残業はアウト。
- 解釈(感情):「患者のために仕方ない」「新人だから我慢」──これは事実ではなく思い込み。
この線引きを明確にした上で、
- 「業務内で記録時間が確保できるか」
- 「18単位以上が常態化していないか」
を、数字と法律をもとに上司へ冷静に提案することが重要です。
感情で訴えるよりも、
「18単位で記録含めると所定時間を超える可能性があります。配分を調整できませんか?」
と事実ベースで交渉すれば、相手も動きやすくなります。
② 個人&職場の両軸で「時間と単位」の最適化スキルを磨く
「18単位」は変えられなくても、“こなし方”は変えられます。
残業削減のカギは、個人とチームの両面からの最適化にあります。
【個人でできる最適化】
- カルテ記載はテンプレート+箇条書き+短文化で10分→5分へ
- 朝一番に評価・記録系業務を前倒し(時間ブロッキング)
- スマホメモやボイス入力で記録時間を効率化
【職場でできる最適化】
- チームで「記録時間の確保ルール」を共通化
- 代診や担当ローテーションで単位負担の偏りを解消
- 業務時間内で情報共有を完結できるミーティング設計
“頑張る方向”を変えれば、
同じ18単位でも「残業しない働き方」が十分可能になります。
③ 転職・キャリアチェンジも視野に入れ、生産性を最大化するキャリアプランを
もし「仕組みが変わらない」「改善を求めても動かない」職場であれば、
環境を変えることも立派な戦略です。
【残業が少ない職場例】
| 働き方 | 残業傾向 | 特徴 |
|---|---|---|
| 訪問リハビリ | ほぼゼロ | スケジュール自己管理・報告もオンライン可 |
| デイサービス(機能訓練特化型) | ゼロ~月数時間 | 定時制で終業が固定・家庭との両立向き |
| 自費リハ/パーソナルリハ | 自由 | 高単価・自由時間・顧客直結のやりがい |
| フリーランス/業務委託 | 自由 | “時間=収入”の直結構造で高い裁量性 |
「18単位の現場で戦うか」か「18単位の外で生きるか」か。
どちらも正解です。
ただし、“自分のリソースをどう使うか”を主体的に選ぶことが、
今後のキャリアでは最も重要になります。
④ 「時間を守れる理学療法士」は、実は“価値が高い”
残業をしない=怠けている、ではありません。
限られた時間で成果を出すスキルこそ、医療現場でもビジネスでも通用する力です。
- 時間内に成果を出す=スケジュール力・集中力・優先順位判断力
- 定時で帰れる=生産性と自己管理の証明
- 持続可能な働き方=離職せずにキャリアを積める
つまり、「時間を守る力」は、未来の自分の市場価値を守る力でもあります。
最後に:18単位と残業を“敵”ではなく“味方”に
「18単位で残業がきつい」と感じるのは、あなたがサボっているからではありません。
制度と仕組みが、人の努力に依存しすぎているだけです。
その現実を見据えた上で、
- 法律と数字で現状を可視化する
- 個人のスキルと職場の仕組みを改善する
- 必要ならキャリアを選び直す
この3つを意識すれば、
「18単位の壁」は、あなたの働き方を変える最強の教材になります。
“残業に悩む理学療法士”から、“時間をコントロールする専門職”へ──
それが、これからの時代を生き抜くPT・OT・STの新しいスタンダードです。
「残業の裏には、“上下関係”や“文化的圧力”も関係します。【理学療法士の先生ごっこ文化】を知っておくと背景が見えてきます。」
まとめ|「18単位」と「残業」を味方に変えるポイント
リハビリ職にとって避けて通れない「18単位」と「残業問題」。
しかし、仕組みや考え方を変えることで、働き方の質を大きく改善することができます。
最後に、本記事で伝えた重要ポイントを整理します。
1.「事実」と「感情」を切り分けて考える
- 「残業が多い=自分が悪い」と思い込むのは誤り。
- 法律(労基法)と勤務実態を照らし合わせて、事実ベースで問題を整理。
- 「18単位で定時に終わらない」は構造的問題であり、個人の怠慢ではない。
2.法律と数字を根拠に“交渉”する
- 「業務時間内に記録を確保できるか」「18単位以上が常態化していないか」を確認。
- 改善要望は感情ではなく数字で伝える(例:「1日平均1時間の超過勤務」)。
- 36協定の範囲外労働・サービス残業は明確な法令違反。
3.個人レベルで「時間の使い方」を最適化
- カルテ記録はテンプレ+短文化で1人あたり5分削減。
- 朝一で「集中業務時間」を確保(時間ブロッキング)。
- 患者移動・申し送りをスケジュールに組み込み、“後回し残業”を防ぐ。
4.チーム全体で残業構造を改善する
- 「年間平均で18単位」など柔軟な単位配分を導入。
- 代診ルールや公平分担で負担の偏りを防止。
- 会議・記録・申し送りを業務時間内で完結させる仕組み化を。
5.「環境を変える」ことも選択肢に
- 残業ゼロを目指すなら訪問リハ・デイサービスが最有力。
- 記録がシステム化されている職場は効率が高く、ワークライフバランスが整う。
- 改善が見込めない場合は、転職や自費リハなどの新しい働き方を検討。
6.「時間を守る理学療法士」は価値が高い
- 定時で成果を出せる=スケジュール力・優先順位判断力が高い証。
- 時間管理能力は医療職にとどまらずビジネススキルとして転用可能。
- 「残業しない=怠け者」ではなく、「生産性の高い専門職」である。
7.“18単位の壁”は成長のチャンス
- 不満の裏には、改善できるチャンスがある。
- 法律・仕組み・スキルを武器にすれば、18単位を味方につける働き方が可能。
- 「残業を減らす」ことは、「自分の人生を取り戻す」こと。