「毎日18単位こなしているのに、なぜか残業が当たり前…」
「記録も終わらない、カンファもある。これって自分だけ?
リハビリ職の中でも、特に理学療法士が直面しがちな“時間の壁”。
制度上は「18単位=1日の目安」とされていても、現実の現場はそれだけで終わらない。
この記事では、「リハビリ18単位と残業」の仕組みと本質を徹底的に解剖し、
さらに“残業を味方に変える”ための具体的な対策とキャリアの選択肢まで深掘りしていきます。
今、働き方に少しでも違和感を覚えているあなたへ。
ここで得られる情報は、きっと“その悩みの根っこ”に届くはずです。
なぜ「リハビリ18単位」で残業が発生するのか?
理学療法士として働いていると、一度は耳にする「18単位」という言葉。これは1日の業務を構成する重要な数字です。しかし、多くの現場でこの“18単位”が、定時で帰れない原因=残業の根源になっているという声も少なくありません。
「毎日18単位こなしているのに、なぜ帰れないのか?」
「18単位って標準じゃないの?それ以上やっている人もいるのに…」
本記事では、そんな疑問に対して、制度と現場のギャップを明確にしながら、理学療法士目線で“なぜ残業が発生するのか”を深掘りしていきます。
単位算定ルールと18単位の基準とは
■ 1単位=20分、18単位=6時間のセラピー提供が一般的
まず、基本的な理解として「1単位=20分」です。つまり18単位というのは、20分×18=360分=6時間のリハビリ提供時間ということになります。
これは、1日8時間労働のうちの約75%をリハビリに費やす計算。
理論上は、残り2時間で記録や会議、移動時間などをこなせば定時で帰れるはずです。
実際、病院の管理側や経営層はこの理屈を基準に「18単位=定時で帰れる水準」と捉えているケースも多いのです。
■ 法律上の標準 vs. 実務のズレ(24単位上限・週108単位制限)
制度面では、以下のようなルールが定められています。
- 1人の患者に算定できるのは1日最大6単位(2時間)まで
- 1人のセラピストが持てるのは週108単位まで(=1日約21.6単位)
つまり、制度的には18単位は“余裕のある水準”にも見えますが、実務ではこの「余裕」はまったく機能していないのが現実です。
特に急性期病院や回復期リハでは、18単位でもかなりタイトなスケジュールになることが多く、移動距離や記録業務、カンファレンスなどの影響で「とても定時には帰れない」という声が多く上がっています。
「18単位超え=残業」の仕組み
■ 移動・カルテ記載・会議が臨床時間を圧迫する
リハビリの「18単位」は、あくまで患者に提供する直接的なセラピー時間に過ぎません。
それに付随する業務には、以下のようなものがあります。
<臨床以外に必要な業務>
- 患者の元へ移動(病棟⇔リハ室)
- 電子カルテやリハビリ計画書の記載
- 定期カンファレンスやカンファ参加
- 家族対応、退院支援、サービス調整
- ミーティング、勉強会、事務作業
これらの業務には「単位」がつきません。しかし、現場で働く理学療法士にとってはこれらも“仕事”であり、“労働時間”そのものです。
■ なぜ18単位では終わらないのか?
仮に、患者一人ひとりのセラピー時間を1単位(20分)で提供したとします。
18単位=18人を1日で回すと仮定すると、以下のような時間が必要になります。
項目 | 所要時間(目安) |
---|---|
セラピー時間(20分×18) | 360分(6時間) |
移動(3分×18) | 約54分 |
カルテ記載(5分×18) | 約90分 |
合計 | 約8時間24分 |
この時点で、すでに8時間を超えています。
実際には、もっと移動や記録に時間がかかることもありますし、患者対応やトラブル対応が入れば、9時間超えもざらにあります。
つまり、「18単位=残業なし」は制度上の理想に過ぎず、現場感覚では“定時に帰れないライン”であると認識されているのです。
【補足視点】組織の風土も影響している
「残業が当たり前」「18単位は絶対達成」
そんな空気感が漂っている職場では、業務効率が悪くても改善されないまま放置されがちです。
特に、若手や新人が“ノルマ”として18単位を課される職場では、オーバーワークや燃え尽き症候群につながるリスクもあります。
【ここでしか得られないポイント】
- 制度だけではなく、「1単位=20分」の裏側にある非効率な構造を徹底的に解説
- 残業時間を生む“見えない労働”の積み重ねを数字で可視化
- 「18単位」はノルマではなく“限界ライン”であるという認識を共有
実際に月間どれくらい残業しているの?現場のリアル
「リハビリ 18単位 残業」と検索する理学療法士の多くは、現場での“時間の使い方”や“働き方”に疑問や不安を感じている方でしょう。
特にこんな悩みを持っていませんか?
- 「18単位って本当に定時で終わるの?」
- 「うちの病院、なんか毎日サービス残業当たり前だけど…」
- 「他の職場ではどれくらい残業してるの?」
この記事では、「理学療法士のリアルな残業時間」を、統計データと職場タイプ別の現状を交えて徹底解説します。
実際に他の現場ではどうなのか、“転職を視野に入れている方”にとって判断材料になる生の情報をお届けします。
平均残業時間は月5〜7時間
■ 全国統計では「月平均5.5時間」
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(医療技術職の部門)」や、民間の転職支援サイト(例:PTOT人材バンクやマイナビ)などによると、
理学療法士全体の月間平均残業時間は5.5時間前後と報告されています。
「え?意外と少ない!」と思うかもしれませんが、これは平均値であり、
実際には勤務先によって大きなばらつきがあるのが現実です。
また、「残業時間にカウントされていない業務」が存在する職場もあるため、実態はもう少し多いと考えるべきでしょう。
■ 総合病院なら月5〜7時間が一般的
一般的な総合病院(特に回復期・地域包括ケア病棟)に勤務する理学療法士の間では、
月5〜7時間前後の残業が“現実的なライン”とされています。
これは主に以下の要因によるものです:
- 18単位前後を毎日提供しながら、記録・カンファ・移動もこなす必要がある
- 患者数の多さ・介護度の高さにより、1人あたりの対応時間が伸びる
- 新人や育成期間中のセラピストが増えると、教育の時間が増す
このような現場では、「18単位=定時帰り」ではなく、「18単位=プラス1時間」が日常になっていることも珍しくありません。
職場タイプ別の差
■ 急性期病院では18~21単位でやや多めの傾向
急性期病院では、以下のような特徴があります。
- 1人あたりの単位数が20〜21単位に達するケースもある
- 外来・入院混在で移動距離が長く、1単位あたりの付帯業務も増える
- カンファレンスや多職種連携の頻度が高く、非臨床業務の比重が大きい
そのため、残業時間は月10時間以上に達することも珍しくなく、
中には毎日30分〜1時間のサービス残業が常態化している職場もあります。
こうした現場では、「時間内に業務を終わらせられない=能力不足」とされ、
残業そのものが“美徳”として扱われる文化が根付いていることも問題です。
■ 訪問リハやデイサービスなら残業ほぼゼロも可能
一方で、訪問リハビリやデイサービスなどの在宅系サービスでは、残業ゼロが現実的に可能です。
<残業が発生しにくい理由>
- 訪問リハ:スケジュールが事前に固定されており、記録も訪問終了後すぐに完了
- デイサービス:日中のみの営業で、終了時間がきっちり決まっている
- カンファレンスや書類作成も、比較的シンプルなフォーマットで短時間対応可
実際に、訪問リハの求人票や現場インタビューでも
「残業ゼロ」「記録は1件5分以内」「週4勤務可」など、自由度が高く効率的な働き方が実現されている事例が多数紹介されています。
【転職希望者向け】ここでしか得られない視点
理学療法士が「リハビリ 18単位 残業」で検索する背景には、職場に対する不満や将来の不安、環境改善への期待があります。
その疑問に答えるために、以下のような視点を持っておくことが重要です。
■ 単位数よりも“非臨床業務の時間”に注目すべき
同じ18単位でも、
- 記録のやり方
- カンファレンスの回数
- 会議資料の準備方法
などの違いで、1日の疲労度や残業時間は大きく変わります。
■ 「残業=やる気の証」みたいな職場文化は要注意
残業が慢性化している職場ほど、若手の離職率が高く、定着率が低い傾向にあります。
転職を考える際は、「月の平均残業時間」「残業代支給の有無」「記録時間の扱い」などをしっかり確認することがポイントです。
残業が慢性化する原因は?悩みと本音を深掘り
「どうして毎日18単位で働いてるのに、定時に帰れないんだろう…」
「自分だけが遅いのか、それともこの職場がおかしいのか…」
理学療法士として働いている中で、こうしたモヤモヤを感じていませんか?
特に「リハビリ 18単位 残業」と検索する方は、現場での働き方に限界を感じ始めている方が多いはずです。
ここでは、単なる「忙しい」「人手不足」といった表面的な理由ではなく、
なぜ“残業が慢性化してしまうのか”という根本的な原因を深掘りし、
「自分を責めるのではなく、構造に目を向けて解決の糸口を見つける視点」を提供します。
業務効率が上がらない本質的理由
■ 情報整理の遅さ、優先順位のつけ方が未熟
新人〜中堅の理学療法士に多く見られるのが、情報処理に時間がかかるという問題です。
- 「どの患者からリハに入るべきか」
- 「先に書類をやるべきか、午後にまとめて記録すべきか」
- 「報告は誰にどのタイミングでするのか」
このような“瞬時の判断が求められる場面”で優先順位を見誤ると、業務がズルズルと後ろ倒しになり、
結果として残業時間が増える、という悪循環が生まれます。
また、先輩に頼りづらい職場や、マニュアルが整備されていない現場では、この問題が深刻化しやすいです。
■ 患者数や重症度が高い現場ほど負担も比例
回復期・急性期病棟では、
- 複数疾患を抱えた高齢患者
- 情報共有が必要なチーム医療
- 短期間での在宅復帰に向けたリハプラン
といった複雑なケースが多く、1単位にかかる“見えない業務時間”が膨大になります。
こうした現場では、単位数が同じでも、1日が終わる頃には完全に消耗しているという状況も珍しくありません。
カルテ記載・書類対応の量と手間
■ テンプレート化しても記録量が多く、効率化できない実態
一見、カルテ記載やリハ計画書の作成は「テンプレートで時短できる」と思われがちです。
しかし実際には、多くの現場で以下のような課題が残っています。
- 症例に合わせて記述を調整する必要がある(コピー&ペーストでは済まない)
- 他職種との連携上、記載内容の精度が求められる
- 病院ルールや指導者の指示で、詳細な記録が求められる
また、カルテ記載のためのパソコンが共有制で空いていなかったり、
記録時間が業務時間外に追いやられている職場では、
実質的に「記録残業」が毎日発生している構造になってしまいます。
■ 書類が“終わらない”という精神的負担
書類業務は物理的な時間の消耗だけでなく、
- 「今日中に提出しないといけない」
- 「記録が追いついていない」
といった精神的なプレッシャーを生みやすい業務です。
こうしたプレッシャーが、仕事の質とスピードを下げ、さらに残業を長引かせる要因となっていることは見落とされがちです。
組織ルール/評価基準に問題があるケース
■ 「18単位以上ノルマ」+「残業前提」の環境ではサービス残業の温床に
残業が常態化している職場の多くには、
「数値ノルマ」や「暗黙の期待」が制度化されているという特徴があります。
- 「最低でも18単位取って当然」
- 「20単位以上やってる人が評価される」
- 「定時に帰る=やる気がないと思われる」
こういった空気感の中では、“定時退勤”が後ろめたくなる文化が根付き、やがて残業が前提の職場環境になります。
しかも、評価制度が曖昧な場合には、
「残業しても給料が変わらない」「むしろ忙しい人が損をする」という不公平感も生まれ、
やる気や定着率の低下に直結します。
■ 「業務改善」がタブーになっている職場も
さらに悪い例としては、
「業務改善を提案すると空気が悪くなる」
「効率化を目指すと“手を抜いてる”と言われる」
といった非効率を“美徳”とする文化が残る現場も存在します。
このような組織では、残業があって当然、むしろ“がんばってる証”とみなされるため、
若手が疲弊し、離職や転職を検討する大きな原因となっています。
理学療法士の働き方は、制度や単位数だけでは測れません。
残業が慢性化している背景には、「個人の努力では解決できない構造的な問題」が潜んでいるという事実があります。
これを理解することが、自分を責めるのではなく、「職場環境そのものを見直す視点」につながる一歩です。
「ここでしか得られない」+αの独自視点
「リハビリ 18単位 残業」というテーマは、多くの医療系メディアや個人ブログでも取り上げられています。しかし、この記事では、“現場で感じる違和感”を論理的に解きほぐし、数字と法律、行動科学の視点を交えて明確にする”という、他では得られない独自の視点をお届けします。
法律と数字で見極める「ブラック職場」
■ 労働基準法と36協定の基礎知識
理学療法士も当然、労働基準法の保護対象です。つまり、以下のような法律に則って働く義務と権利があります。
- 労働時間は原則1日8時間、週40時間まで
- それを超える労働には、36協定の締結と届出が必要
- 時間外労働には割増賃金(残業代)の支払いが義務
しかし現場では、このルールが曖昧なまま運用されているケースも多く、
「記録時間は勤務に含まれない」
「18単位終わっても書類が終わってないから居残り」
など、明確に違法な状態が黙認されているケースも見受けられます。
■ 違法残業を見分ける3つのチェックポイント
- 毎日定時を超えても残業代がついていない
- 36協定の説明を受けた記憶がない
- 就業時間内に記録や会議ができる体制がない
これらに該当する場合は、労基署への相談対象になる可能性もあります。
■ 残業代が支払われないときの対処法
万が一、残業代が適正に支払われていない場合は、以下のように対応しましょう:
- まずは上司・管理者に確認(証拠を残す)
- 院内の相談窓口(あれば)や労働組合に相談
- 記録を残した上で、労働基準監督署に匿名通報も可能
特に、タイムカードや日報の写メ、LINEでの指示記録などは、違法状態を立証する重要な材料になります。
単位当たり時間ではなく「時間当たり単位」で評価を可視化
■ 現場で起きている「不公平感」の正体
理学療法士の現場でよく聞く不満に、
「同じ18単位なのに、自分だけ残業してる」
「Aさんは早く終わるけど、Bさんはいつもギリギリ」
という声があります。
これは、「単位数」だけでパフォーマンスを評価していることの限界を示しています。
■ 「時間当たり単位」という新しい指標
そこで提案したいのが、1時間あたりに何単位処理できたかという、
“時間当たり単位(単位÷勤務時間)”という評価軸です。
例:
- Aさん:18単位/8時間 → 2.25単位/時
- Bさん:18単位/9時間 → 2.0単位/時
この数値を可視化することで、
- 効率の高いスタッフを正しく評価できる
- 遅れているスタッフのフォローや教育の方向性が見える
- 残業の“偏り”を客観的に把握できる
といったメリットがあります。
■ なぜこの指標が普及していないのか?
現状では、「単位=評価」や「残業=頑張っている」という曖昧な価値観が根付いているため、
このような数値での“効率評価”はタブー視されがちです。
しかし、理学療法士という専門職が今後も長く働き続けるには、
“がんばり”ではなく、“成果と時間”を正しく評価する仕組み”が必要不可欠です。
優先順位&時間管理で現場力アップ
■ 「重要度×緊急度マトリックス」でタスクを整理する
スティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』で紹介されている
「時間管理マトリックス」は、医療職にも非常に効果的です。
4つの領域
分類 | 内容 | 例 |
---|---|---|
第1領域 | 緊急かつ重要 | 急変対応、緊急退院 |
第2領域 | 緊急でないが重要 | 記録、教育、業務改善 |
第3領域 | 緊急だが重要でない | 電話対応、突然の依頼 |
第4領域 | 緊急でも重要でもない | 無目的な雑談、ネット |
特に第2領域(=重要だが緊急でないこと)を先にやる習慣ができると、
「焦らない仕事」「残業を未然に防ぐ働き方」が実現しやすくなります。
■ 忙しい時ほど“整理”が必要
多忙な現場では、「目の前の業務をこなす」ことで精一杯になりがちです。
しかし、それが続くと重要な仕事(書類・報告・改善)が常に後回し=残業コースになります。
1日10分でも、「今日やること/やらないこと」を明確にするだけで、
働き方のリズムが大きく変わります。
この記事で紹介した視点は、まだ多くの現場で取り入れられていない“先取り型の考え方”です。
「もうこの職場、限界かも」と感じている方ほど、
こうした論理的かつ戦略的な視点を持つことで、働き方を根本から見直すことが可能になります。
自分の時間と価値を守るために、
「残業して当然」ではなく、「どうすれば残業せずに価値を発揮できるか」を考える視点が、
あなたのキャリアの未来を切り開く鍵になります。
残業を減らす具体的対策と成功事例
「18単位を毎日こなしているのに、どうして残業が減らないんだろう?」
「もっと効率よく働けないのか、でもどうすれば…」
理学療法士として働く中で、こうした葛藤を感じている方は少なくありません。
「リハビリ 18単位 残業」で検索される背景には、疲弊感・時間不足・将来への不安など、複雑な悩みが交錯しています。
しかし、残業問題は“我慢”や“気合”では解決しません。
この記事では、職場単位・個人レベル・キャリア全体の3つの視点から、具体的な残業削減策と実際の成功事例をご紹介します。
職場・リーダーシップが取り組むべき改善策
■ 年間計画の策定で18単位配分に余裕をもたせる
多くの病院や施設では、単位の目標や配分が「月単位」「週単位」で設定されているケースが多いですが、
それだと繁忙期に業務が集中し、結局は現場が残業で吸収する構造になってしまいます。
そこで効果的なのが、年間単位での業務計画と単位調整の導入です。
- 退院ラッシュの時期に向けて、事前にスケジュールを組む
- 学会・勉強会が重なる週は、チーム内で単位数を調整
- 管理者が月次で負担偏りを確認し、アラートを出す
こういった中長期的な視点を持つことで、“詰め込みリハ”や“無計画な超過勤務”を防ぐことができます。
■ 個人偏りなく公平分担する制度(代診ルール・フレックス)
“できる人”に業務が集中する現場では、必ず残業が偏ります。
これを防ぐには、「代診ルール」や「フレックスタイム制度」の導入が有効です。
- 代診ルール:急な休みや業務量の偏りに対して、同職種間で柔軟に対応
- フレックス制度:早く出勤して早く帰る、昼休みをずらすなどの時間裁量を持たせる
これにより、「誰か1人に負担がのしかかる状態」から脱却でき、チームとしての持続性が向上します。
個人レベルでできる工夫
■ カルテ記録はテンプレート+要点のみ記録へ
記録業務は、個人のやり方で“1日30分〜60分の差”が生まれる部分です。
テンプレートを活用し、書きすぎを防ぎ、伝えるべきポイントに集中することがカギになります。
- 「目的」「介入内容」「評価」「今後の方向性」の4要素で簡潔に
- 他職種に伝わる表現を意識し、無駄な専門用語は控える
- よく使う文面は定型句としてPCに登録しておく(辞書登録)
記録を効率化することで、1日15〜20分の業務短縮も可能です。
■ 患者間の移動・情報収集を1日のスケジュールに組み込む
移動時間や事前の情報整理は「つい後回し」にしがちですが、
逆にこれらを**“予定タスク”としてあらかじめスケジュール化する**ことで、無駄な滞在時間やバタバタ対応を回避できます。
例)
- 10:00〜10:05:カルテ・看護記録の確認
- 10:05〜10:10:移動+患者対応準備
- 10:10〜10:30:介入(1単位)
こうした分刻みの業務設計が、時間の“見える化”と管理力UPにつながります。
■ 重要業務を朝一に担う「時間ブロッキング」
「午後に記録やろう」「空いた時間にまとめよう」
という考え方は、結果としてタスクを後ろ倒しにし、残業を引き起こす最大要因です。
そこでおすすめなのが、「時間ブロッキング」という手法。
これは、あらかじめ重要タスクの時間帯をブロック(確保)するという時間管理術です。
具体例:
時間帯 | タスク |
---|---|
8:30〜9:00 | 記録・情報収集(絶対優先) |
9:00〜12:00 | 午前介入(4単位) |
12:00〜13:00 | 昼休憩+記録処理 |
13:00〜15:00 | 午後介入(4単位) |
15:00〜15:30 | カンファ+報告書対応 |
この手法は特に業務の見通しが立ちにくい若手スタッフにとって、大きな武器になります。
転職・キャリアチェンジという選択肢
■ 残業ゼロが可能な訪問リハ・デイサービスへの転換
現場改善が難しい、管理者も動いてくれない――
そんな場合、環境を変える=転職を選択することも大切な手段です。
特に、訪問リハビリやデイサービスなどの在宅分野は、
- タイムスケジュールが明確
- 書類対応が比較的シンプル
- 夜勤や急変が少ない
といった特徴があり、残業が少なく、時間の裁量も広がる傾向にあります。
実際、「訪問に転職してから定時で帰れるようになった」「自分のペースで働けるようになった」といった声も多く、
ワークライフバランス重視派の理学療法士に人気の分野です。
■ フリーランスや自費リハ分野への独立と収益比較
また、近年ではフリーランスPTや自費リハビリ事業をスタートさせる方も増えてきました。
- 1対1の高単価リハ(1時間6,000〜10,000円)
- 介護保険に縛られず、自分の裁量で働ける
- SNSや紹介を通じて顧客を獲得するスタイル
など、時間の自由度と収入の上限を広げられるキャリアパスとして注目されています。
もちろんリスクや事業運営の知識も必要ですが、
「残業なし+やりたいリハを実現する」ための選択肢としては、非常に現実的です。
「残業を減らしたい」という願いは、決してわがままではありません。
それは働き続けるために、プロとして“時間とエネルギー”を管理しようとする健全な感覚です。
職場の体制・自分の工夫・キャリアの方向性――
どこからでも改善の糸口はあります。
あなたの人生にとって、「働くこと」が消耗ではなく充実になるように、
今できる一歩を考えてみてください。
Q&Aコーナー(読者が検索で抱えやすい疑問に即応)
「リハビリ 18単位 残業」と検索する理学療法士の多くは、現場のリアルな悩みを抱えています。
「自分だけが忙しいのか?」「法律的にこれって大丈夫なのか?」「他にもっと良い働き方はあるのか?」
そんな不安や疑問に即答できるよう、現場経験と制度知識を交えてQ&A形式でお答えします。
Q. 18単位を超えたら100%残業ですか?
A. 移動・記録・会議時間を考慮すれば、定時内完結は困難な場合がほとんどです。
理学療法士の1単位は20分。18単位で計360分(=6時間)ですが、これは純粋なリハビリ提供時間にすぎません。
実際の1日はそれだけでは終わらず、以下のような業務が重なります。
- 各患者の元への移動時間
- カルテ記載・記録業務
- 多職種との情報共有・カンファレンス
- 書類作成・退院支援業務
仮に1件あたりの移動+記録で10分かかった場合、18人を対応すると180分(3時間)かかります。
6時間のリハと合わせて9時間を超える労働時間が発生する計算です。
また、実際の現場では緊急対応や患者の状況に応じた柔軟な対応も求められます。
そのため、18単位以上をこなして“定時で帰れる”ケースはかなり稀であり、
「18単位=定時に終わるライン」というのは制度上の理想論に過ぎません。
Q. サービス残業は違法ですか?
A. 「働いた分は払われていない」なら、明確に労働基準法違反です。労基署への相談も可能です。
サービス残業とは、労働時間としてカウントされず、賃金が支払われない時間外労働のことを指します。
日本の労働基準法では、以下のような基本原則が定められています。
- 所定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた分には残業代(割増賃金)を支払う義務
- 事前に36協定を結んだうえで時間外労働を命じる必要がある
- タイムカード、日報、PCログなどが労働時間の証拠として有効
もし、
- 記録やカンファレンスを“勤務時間外”にしている
- 残業しても手当が一切つかない
- 「みんなそうしてるから」と残業代請求を諦めている
という状況であれば、それは完全な違法状態です。
■ 対処方法
- タイムカードや出勤記録のスクリーンショットや写メを日々残す
- 自分の労働時間・業務内容をExcelなどに日報として記録しておく
- 上司や人事に正式に相談(証拠を残す)
- 状況が改善されない場合は、労働基準監督署に匿名相談も可能
近年では医療職の残業問題がメディアでも取り上げられており、労基署も状況に詳しいケースが多くあります。
Q. 転職で「残業ゼロ」の現場は見つかりますか?
A. 平均単位が少ない訪問リハ・デイサービス等では、残業ゼロの現場も多数あります。
「残業が当たり前」な職場で働いていると、
「どこに行っても一緒じゃないか?」と思ってしまいがちですが、実際には残業が少ない・ゼロの現場は確実に存在します。
■ 残業ゼロが実現しやすい職場の特徴
- 訪問リハビリ:スケジュール固定、1件あたりの記録も簡潔、1日4〜6件程度が一般的
- デイサービス:営業日・時間が明確(9時〜17時など)、介護保険に基づいたスケジュール管理が徹底
- 自費リハ施設:予約制で時間管理がしやすく、1対1の対応に集中できる
これらの職場では、「定時に業務が終わる前提」で設計されており、記録時間も含めて1日の中で完結する構造が整っています。
■ 転職を成功させるポイント
- 求人票に「残業時間:月平均〇時間」など明記されているか
- 面接時に「記録の方法」「1日のスケジュール」などを具体的に確認
- 同じ職場に勤めている知人や、口コミ・体験談サイトなども参考に
「もっと時間にゆとりが欲しい」「仕事終わりの予定を大事にしたい」という方にとって、
転職は“環境を変えることで人生を取り戻すための選択肢”になり得ます。
この記事のQ&Aが、あなたの今抱えている不安や疑問を整理し、次の一歩の参考になれば幸いです。
「仕方ない」ではなく、「変えられるかもしれない」と思えたら、すでに第一歩は始まっています。
18単位と残業をどう「味方」にするか
「リハビリ18単位」と「残業」の関係性は、現場にいる理学療法士にとって切っても切れないリアルなテーマです。
制度上は1日18単位=6時間のリハビリ提供という明確な基準があるものの、実務上はその周辺に記録、移動、会議、調整など“見えない仕事”が積み重なり、結果的に残業へとつながってしまう。
ここでは、この問題にどう向き合い、どう対処していくべきかを「考え方」「スキル」「キャリア戦略」の3つの観点から整理してみます。
■ 事実(ルール)と解釈(感情)を分けて、改善交渉に法律と数字を武器にする方法
まず最初に意識したいのは、感情論だけで職場に不満をぶつけても改善にはつながらないということ。
例えば、「毎日残業でつらい」という感情に対し、
- “業務日報の記録”
- “タイムカードのデータ”
- “18単位と残業時間の関係性を整理した表”
など、数値や事実ベースで状況を整理することが、改善提案の第一歩になります。
さらに、労働基準法や36協定の知識を押さえておくことで、
「残業代が出ていないのは違法である」
「記録業務が就業時間外ならそれも労働時間である」
というように、法的根拠に基づいた冷静な交渉が可能になります。
感情を否定せず、でも数字で語る。
このスタンスが、上司や管理職を動かす“交渉力”になります。
■ 個人&職場の両軸で「時間と単位」の最適化スキルを磨く
「18単位だから仕方ない」と諦めてしまうのではなく、
その中でどうすれば残業を最小限に抑えられるかを考える視点も重要です。
<個人スキルでできること>
- 記録のテンプレート化と要点絞り込み
- 「移動+記録」をスケジュールに組み込む習慣化
- 「時間ブロッキング」で優先業務を先に処理する
<チームや職場で必要な取り組み>
- 業務量の平準化(代診ルール、担当見直し)
- 無駄な会議・報告の削減と統一フォーマットの導入
- 記録時間や準備時間も“業務”として可視化・評価
このように、「時間」と「単位」それぞれに対して最適化のスキルを持つことで、仕事の効率と満足度の両立が可能になります。
■ 転職・キャリアチェンジも視野に入れつつ、生産性を最大化できるキャリアプランを検討
現場改善をどれだけ試みても、
「管理者に理解がない」
「評価制度が古い」
「残業が当たり前という空気が蔓延している」
といった、構造的に変化が難しい職場も存在します。
その場合は、思い切って転職やキャリアチェンジを選択肢に入れることも、理学療法士としての“自分を守る行動”になります。
■ 選択肢の具体例:
- 訪問リハビリ・デイサービス:時間の裁量があり、残業ゼロも現実的
- 自費リハ・フリーランス:高単価・自由度の高い働き方
- 教育・研究・行政系:臨床以外のキャリアを選び直すことも可能
働く場所を変えることで、“働き方”そのものをリセットできるチャンスも得られます。
「リハビリ18単位」「残業」というワードに疲弊している方へ――。
このキーワードに振り回されるのではなく、制度・職場・自分の働き方の三位一体で見直していくことで、“18単位”も“残業”も味方にすることができます。
「我慢するしかない」から
「選べる・変えられる・交渉できる」へ。
一人ひとりの小さな行動が、働き方を変え、キャリアを豊かにする第一歩になります。
そのきっかけを、この記事が提供できたなら幸いです。
まとめ:リハビリ18単位と残業の現実を知り、未来を変えるために
理学療法士として働くうえで「18単位」はひとつの基準であり、「残業」はそれに伴って多くの人が直面する課題です。
この記事では、制度・現場・個人スキル・キャリア戦略の各側面から「なぜ残業が発生するのか」「どうすれば減らせるのか」について詳しく掘り下げてきました。
最後に、この記事の重要なポイントを以下にまとめます。
重要ポイントまとめ
- 18単位=6時間のリハビリ提供だが、移動・記録・会議などの“見えない仕事”が加わるため、定時で終えるのは難しい。
- 全国平均の残業時間は月5〜7時間程度だが、急性期や人手不足の職場では10時間を超えるケースもある。
- 業務効率が上がらない背景には、優先順位の判断ミス・複雑な書類対応・制度的な非効率がある。
- サービス残業は違法。記録時間も労働時間としてカウントされるのが原則であり、労基署に相談する権利がある。
- 残業の多寡だけでなく、働き方・時間の使い方・評価軸の見直しが必要。時間当たり単位など新しい視点での効率評価も有効。
- 記録の簡素化・スケジューリング・時間ブロッキングなど、個人レベルでもできる改善策は多数ある。
- 訪問リハやデイサービスへの転職、自費リハ・フリーランスなど、残業の少ないキャリアパスも実在する。
- 「18単位=悪」ではない。数字と仕組みを理解し、味方にできれば、残業を減らしながら成果も上げられる。
- 最終的には、職場を変える・交渉する・行動することが、人生と時間を取り戻す第一歩。
「もう疲れた」「このままでいいのか不安」
そんな思いを持ってこの記事にたどり着いたあなたは、
すでに変化への意欲を持っているはずです。
今の働き方に違和感を持つのは、あなたが「もっと良くできる」と気づいているから。
制度・構造・文化を理解し、個人としてできる工夫を積み重ねれば、
“18単位も残業も、自分のキャリアを磨く武器に変える”ことは十分に可能です。
まずは、自分の時間を守るための一歩から始めてみてください。
コメント