「育休が明けたら、何から準備すればいい?」「時短で働くって、実際どれくらい給料が減るの?」
そんな不安や疑問を抱えたまま、なんとなく復職日を迎えていませんか?
理学療法士という専門職だからこそ、復帰前に“必ず確認しておくべきこと”があります。
この記事では、他では読めないリアルな事例と一緒に、後悔しないための「育休明け復職チェックリスト」を徹底解説します。あなたの未来を左右する、大切な一歩を一緒に整えましょう。
育休明けの理学療法士が抱えるリアルな悩み・疑問
育休が終わる頃、ふと襲ってくる不安。「本当にまた現場に戻れるのか?」「子どもの急な発熱にどう対応する?」「時短勤務で評価が下がらない?」——
特に理学療法士は、対人支援であり体力も求められる仕事。育児との両立に悩む声は後を絶ちません。
ここでは、実際に育休明けを迎えた理学療法士たちの声をもとに、最も多く寄せられる疑問や不安にリアルに答えていきます。
仕事と育児の両立は本当に可能?
育休から復帰する際、多くのPTママ・パパがまず直面するのが「仕事と育児の両立は現実的なのか?」という問題です。理学療法士の仕事は、患者さんと一対一で関わることが多く、予定の変更が難しい職種です。
育児中に患者対応できる?
実際の現場では、時間通りにリハビリ介入を求められることが多く、子どもの急病での呼び出しが頻繁に起きると、業務に支障が出るのではと心配される方が多いです。
しかし、以下のような対応が現実には可能です:
- 同僚との情報共有・引き継ぎを徹底する
- 担当制ではなくチーム制の職場を選ぶ
- 業務を午前中に集中させ、午後は調整可能な業務を割り当ててもらう
訪問リハやデイケアの現場では、柔軟にスケジューリングできることもあるため、勤務形態の見直しも両立成功のカギになります。
時短勤務なのに成果が出せる?
「短い時間で結果を出すのは無理」と思われがちですが、実際には無駄を削る働き方を身につけることで、むしろ効率良く成果を出す方もいます。
- 記録やカンファレンスを効率化
- 1人の患者にかける時間を適切に管理
- 後輩指導や雑務は時間外に抱え込まず、業務中に終わらせる工夫
「限られた時間で成果を出す姿勢」が、逆に評価につながることもあります。
時短勤務で評価はどうなる?周囲の目は?
時短勤務=評価が下がる、というイメージを持っていませんか?実はそうとは限りません。
評価が下がるパターン
- 急な欠勤が多く、引き継ぎが不十分な場合
- 「子育てだから仕方ない」というスタンスで周囲との関係がギクシャクする場合
- 業務量が極端に減り、チーム貢献が見えづらくなる場合
評価が上がるパターン
- 時間内で成果を出すことに集中し、仕事の質を上げる
- カンファレンスや情報共有の要点を的確に整理して発言
- 後輩指導や記録の工夫でチーム全体の生産性を底上げ
Aさんのケーススタディ
病院勤務10年目のAさんは、育休明けから「時短勤務・週4日」に変更。
「育児で残業できないなら、質で勝負しよう」と、担当患者のリハビリ記録を自動テンプレート化。
これがチーム全体に波及し、書類ミスが減ったことで科長から評価され、時短でも昇給につながったといいます。
つまり、成果=量ではなく質と工夫の総合点なのです。
周囲の目への対応
「周りに申し訳ない」という気持ちは強くなりがちですが、それがかえって働きにくさの原因になることも。
以下のような工夫で“悪目立ち”を回避できます。
- 出勤時に「今日もよろしくお願いします」とあいさつし、存在感をポジティブに出す
- 急な休みの際は、前もって引き継ぎメモを作成
- 子育てを言い訳にせず、できる範囲での積極性をアピール
育休明けすぐ辞めてもいいの?ベストタイミングは?
育休明けて復職したものの「思った以上にきつい…」「子どもとの時間が取れない」と悩む方は少なくありません。
では、育休明けすぐに辞めるのはアリか?その答えは「辞めてもよい。ただし戦略的に」になります。
Q:育休明け1か月で辞めたら印象が悪い?
一般的には「育休=戻ってくる前提」で職場は調整しています。そのため、復帰直後すぐに辞めると、周囲の信頼を損ねるリスクがあります。
とはいえ、心身を壊すよりは辞めるほうがずっと健全です。
Q:では、ベストな辞めどきは?
- 復職後3か月〜半年:職場側にも納得されやすく、かつ退職準備期間としてちょうどよい
- 年度末・人事異動の前後:チームの引き継ぎもスムーズ
Q:上司にはどう伝える?
- 「やってみてわかったが、家庭との両立が困難だった」
- 「職場には感謝しており、迷惑を最小限に抑えたい」
と誠実に伝えることで、トラブルを避けやすくなります。
育休明けに直面する“働き方”の実態
「育児と仕事、両立できるのかな…」
復帰直前、多くの理学療法士が感じる不安のひとつが“働き方の変化”です。特に「時短勤務」や「6時間勤務」の選択肢は、育児中のPTにとって現実的で魅力的ですが、同時に収入減や職場での立場への影響も気になるところ。
ここでは、実際に育休明けに選ばれる働き方の「メリット・デメリット」、職場別の“時短しやすさ”、さらには「時短勤務でも評価される方法」まで、実態に即して徹底的に解説していきます。
時短勤務・6時間勤務のリアル → 収入と生活のバランス
育休明けに多くの理学療法士が選ぶのが「時短勤務」。中でも「1日6時間勤務」は人気ですが、実際にはどんな生活が待っているのでしょうか?
メリット
- 子どもの送迎や通院に対応しやすい
- 家族との時間を確保できる
- 体力的・精神的な負担が軽減される
- 子どもの急な病気に柔軟に対応できる
特に訪問リハやデイケアにおいては、朝〜昼までの勤務でスケジュール調整しやすいため、多くのママPTがこの働き方を選んでいます。
デメリット
- 月収・賞与がフルタイムと比較して20〜40%減少
(※PT-OT人材バンクなどの体験談によると、平均的に年収ベースで80万円〜150万円ほどの差が出るケースも) - 職場の会議・研修の多くに参加できない
- 「重要な仕事を任せてもらえない」という疎外感を感じる場合も
生活のバランスを取るには?
- 「家計を副業やパートナーの収入と組み合わせて補填する」
- 「支出を見直し、固定費を削減する」
- 「時短OKな職場の中でも、インセンティブ制度がある職場を選ぶ」
特に最近では、訪問リハビリでの時短正社員+歩合制という形も増えてきており、「働いた分だけ還元される」仕組みで収入減を最小限に抑えるPTも増加中です。
職場別に見る「時短しやすい勤務形態」まとめ
復帰後の働きやすさは、勤務先によって大きく異なります。以下では、代表的な勤務先を比較し、どの職場が“時短しやすい”かを整理します。
病院勤務(急性期・回復期など)
- 特徴:カンファレンスや記録業務、報告・連携業務が多い
- 時短のしにくさ:★★☆☆☆
- 注意点:リハビリ介入時間は減らせても、カンファレンス参加や記録の質が問われるため、帰宅時間が遅れることも
- 復帰支援体制:大規模な病院では、復帰支援制度(保育費補助、時短枠の優先配置など)が整っていることが多い
デイケア・デイサービス
- 特徴:利用者数が固定されており、スケジュールも一定
- 時短のしやすさ:★★★★☆
- メリット:午前・午後の半日単位で勤務できるため、生活リズムに合わせた柔軟な働き方が可能
- 注意点:医療的介入が少なく、「技術やキャリアアップ」を望む人には物足りなさを感じる可能性も
訪問リハビリ
- 特徴:1件ごとに移動・リハビリ対応を行う個別ケア
- 時短のしやすさ:★★★★★
- メリット:1日3〜4件だけ回る働き方も可能で、収入と時間のバランスがとりやすい
- 注意点:移動時間が長いと時短の意味が薄れるため、エリア選びが重要
ブランク復帰後のキャリア見通し
時短勤務は「キャリアを諦める働き方」ではありません。
最近では、訪問リハや地域リハの管理職ポジションで、時短のままキャリアを積み続けるママPTも増えています。
ポイントは、「現場を離れずに関われる」「見える成果を出すこと」。
時短勤務で評価を高める3つの方法
「時短だから評価されにくい」と感じていませんか?
実は、評価される時短PTには共通点があります。
①無駄な残業を削る「業務整理術」
- 介入前の情報収集を最小限で効率的に行う
- 記録はテンプレ化し、タイピングを短縮
- カンファレンスの発言を準備しておき、発言時間を短縮
→ 時間内で成果を出す姿勢は、むしろ管理職に好印象を与える要素です。
②臨床以外の業務は「任される範囲を明確に」
- 例えば「勉強会の資料作成は担当できないが、発表スライドの添削はできる」など、やれること・やれないことを明示
- 総会・行事準備など「断っても責められない範囲」を見極める
→ 曖昧に抱え込むより、明確に線引きすることで信頼が生まれるのです。
③ 見える貢献を意識する「見える化戦略」
- 患者満足度や評価数値を定期的に報告
- リハビリ以外の業務(記録整理、チェックリスト管理など)も「改善しました」と報告
- 短時間でも「この人がいて助かった」と思わせる瞬間をつくる
→ 時短でも“成果が見える”形にすることが、正当な評価につながります。
働き方に悩む育休明けの理学療法士にとって、時短勤務は「妥協」ではなく「選択」です。
どの職場で、どう働くか。そしてその働き方で、どう評価されるかは、事前の情報収集と戦略的な立ち回りで大きく変えられます。
職場・制度選びで差が出る!後悔しない復帰準備
「育休明け、どこで働くのが正解?」「復帰して後悔したくない…」
そんな不安を抱える理学療法士ママ・パパへ。
職場選びと制度の使い方次第で、復帰後の働きやすさは大きく変わります。
実際、同じ時短勤務でも“制度が充実した職場”では精神的なゆとりが生まれ、「もう少し働きたい」と感じることさえあります。
ここでは、育休明けのPTにおすすめの職場タイプから、見落としがちな支援制度や復職支援、さらにはブランク・知識不足の対処法まで、後悔しない復帰準備のすべてをまとめました。
育休明けにおすすめの職場タイプとは?
育休明けの働き方を考えるとき、「フルタイム復帰一択」と考えてしまう方も少なくありません。しかし実際には、柔軟な勤務形態を選べる職場も数多く存在します。
訪問リハビリ事業所
- メリット:1件あたりの介入時間が明確で、スケジュールがコントロールしやすい
- 時短対応の柔軟性が高く、午前だけ・週3勤務なども相談可能
- 歩合制を採用しているところも多く、短時間勤務でも収入を確保しやすい
訪問リハは、子育て中のママPTにとって非常に相性が良い働き方です。
特に、移動範囲が狭く、訪問件数が少ない施設は要チェック。
サテライトオフィス勤務(地域小規模施設)
- 母体が大病院でありながら、小規模施設での勤務が可能
- 病院と比べて業務量・残業が少ない
- 制度が整っており、有給・時短の取得がスムーズ
このような施設は、「大病院の安定感」と「地域密着の働きやすさ」を兼ね備えています。
非常勤(パートタイム)勤務
- 曜日・時間を完全指定できる場合が多く、子どもの成長に合わせて調整しやすい
- 常勤より業務負担が少ない分、リハビリに集中できる
- デイサービス・クリニックなどで募集多数あり
注意点としては、社会保険の加入条件(週20時間以上)や賞与の有無を事前に確認しておくことが重要です。
育児支援制度を使い倒す!意外な制度や補助金
復帰に向けて、「どれだけ支援制度を使いこなせるか」が、働きやすさを左右します。
ここでは意外と知られていない制度や、活用できる補助金をご紹介します。
理学療法士協会の年会費減免制度(育休中)
理学療法士協会では、育休中は年会費の全額または一部が免除される制度があります。
詳細は地方支部によって異なるため、復職前に所属支部へ問い合わせておくのがおすすめです。
メリット:
- 育休中に会員資格を維持できる
- 復職後すぐに研修・学会へスムーズに参加可能
医療機関独自の復職支援制度
意外と見落とされがちですが、多くの病院・施設では、独自の復職支援策を導入しています。
例:
- 資料共有アプリや録画済みの勉強会をオンラインで視聴可能
- OJT担当者がつき、復職後1〜2週間は同行対応あり
- 時短勤務中でも参加できるよう、会議時間の配慮・変更あり
こうした支援体制は、大手病院・グループ法人・医療福祉法人で整備されていることが多いです。
自治体の子育て支援・就労支援補助金
自治体によっては、以下のような就労支援策や保育料補助が用意されています。
- 保育園の延長保育料金の一部助成
- 病児保育の利用料割引
- 育児短時間勤務に対する就労支援金(月1万円〜)
これらは地域差が大きいため、自治体の「子育て支援課」などで事前確認しておきましょう。
ブランク・知識不足への対処術
復帰が近づくにつれ、多くのママPTが感じるのが「現場感覚が鈍っているのでは?」「知識が古くなっているかも」という不安です。
家庭でできるキャッチアップ勉強法
- YouTubeやPodcastで最新のリハビリ情報を学ぶ
- 育児の合間にスキマ時間で読める専門誌(例:月刊「理学療法」など)を活用
- eラーニング(例:リハラボ、メディックメディアなど)で単元ごとに学習
こうした方法なら、1日15分でも日々の臨床力を少しずつ取り戻すことができます。
ブランクありPTの不安を解消した先輩の声
実際にブランクから復職した理学療法士たちの声には、多くのヒントがあります。

「最初の1週間は不安でいっぱい。でも、現場で先輩PTが“全部忘れてても大丈夫。徐々に戻していこう”と言ってくれて救われました。」

「eラーニングで疾患別評価の復習をしておいたおかげで、復職初日から患者対応も自信を持てました。」

「子どもを寝かしつけた後、20分だけ記録の練習を毎日した。それだけで書類が怖くなくなった。」
ブランクがあっても、“復帰する前にできること”をやっておけば、現場での不安は大きく減らせます。
職場・制度選びは、育休明けPTの人生を左右する重要なポイントです。
短時間勤務、柔軟な職場、充実した支援制度、知識のキャッチアップ。
どれかひとつではなく、すべてを組み合わせることで「自分らしく働ける環境」を整えることができます。
育休明けでもキャリアアップできる働き方
「育休が終わったら、もうキャリアは諦めるしかないのかな…?」
そんな風に感じていませんか?
確かに、理学療法士という仕事は現場主義で、ブランクや育児との両立がネックに感じられるかもしれません。しかし近年、育休明けでもキャリアを着実に積み重ねているPTたちが増えています。
ここでは、育児と学会参加を両立した事例、育休文化を職場に広めたママPTの実話、そして転職や異動によって「家庭優先×成長」を実現した働き方まで、“今この瞬間”からキャリアアップを目指せる方法をお届けします。
育児×学会・研修参加の両立は可能か?
「学会発表は若手や独身PTの特権」「子どもが小さいうちは研修なんて無理」——
そう感じてしまうのは自然なこと。しかし、実は育児中でも学会や研修に参加し、専門性を伸ばしている理学療法士はいます。
Bさんの学術大会参加体験
産後9か月で復帰したBさん(30代・女性)は、復職後のある日、病院内の勉強会で「復職後も研究活動をしたい」と表明。周囲の協力を得ながら、子どもを寝かしつけた後の時間を使い、症例報告をまとめ上げました。
その結果、関東地区のリハビリ学会にてポスター発表を実現。
当日は義母に子どもを預け、時間を区切って学会会場と自宅を行き来する形で参加。

「子どもがいても、自分の成長を止めなくていい。そう実感した1日でした。」
このように、短時間でも“参加する姿勢”を見せることで、周囲からの評価やチャンスが広がることも少なくありません。
両立のための工夫
- 参加する研修・学会は“短時間・オンライン中心”を選ぶ
- 配偶者・家族とスケジュールを事前に共有し、サポート体制を確保する
- 職場にも「事前に参加を相談・許可を得る」ことで、理解を得やすい
特に最近はオンライン学会や録画視聴が増えており、育児中でも柔軟に学びを継続できる環境が整ってきています。
後輩・男性PTとの連携と育休の好循環
「育休制度はママだけのもの」——そんな時代は終わりつつあります。
最近では、男性PTの育休取得も徐々に進み始めており、それを後押ししているのが“先輩ママPT”の存在です。
実話:ママPTが育休文化を広めたきっかけ
ある中規模病院に勤務するCさん(40代・女性)は、育休から復帰後、「育児と両立しながら働く難しさ」や「制度の使い方」を周囲の後輩に積極的にシェアしていました。
その影響で、同部署の男性PTが初めて1か月の育休を申請・取得。
その後は「男性も取れるなら…」という空気が職場に広がり、育休が当たり前の文化に変化。

「先輩の背中が“育休=迷惑じゃない”というメッセージになっていた」と後輩PTは語っています。
ポイント:育休は“個人の権利”から“チームの文化”へ
- 経験者がノウハウを共有すること
- 育休取得を「特別扱い」しない環境づくり
- 男女問わず制度を活用できる職場づくりに貢献
これは単に「後輩のため」だけでなく、結果的に自分自身の働きやすさをも高めるキャリア形成にもつながります。
異動・転職で家庭優先に舵を切る戦略
「育児と両立できないなら辞めるしかない」ではなく、“働き方を変える”という選択肢も立派な戦略です。
異動のケース:急性期から訪問リハへ
急性期病棟で働いていたDさん(30代女性)は、復帰後まもなくして「時間通りに退勤できない」現実に直面。
上司に相談し、同法人の訪問リハ部門へ異動。
- 朝9時〜15時の時短勤務
- 担当件数は1日3件に抑え、家事・育児と両立
- 患者対応を通して“1対1の濃い関わり”にやりがいを再発見

「職場内異動でキャリアを継続できたことで、育児中の自信にもつながりました。」
転職のケース:通所リハへの転職で自由度UP
復帰後すぐに退職を決断したEさん(40代男性)は、小学生の娘の下校時間に間に合うよう、通所リハビリ施設へ転職。
勤務時間は9:00〜16:00で、残業ゼロ。
加えて「教育担当」や「業務改善係」など裏方的な役割にも挑戦することで、やりがいと成長を維持。

「転職してもPTとしてキャリアは積める。むしろ家族との時間が増えて、心の余裕が生まれた」と語ります。
育休明けでも“キャリアは止めなくていい”
育児と仕事、どちらかを諦める必要はありません。
学び続ける姿勢、周囲との協力、柔軟な働き方の選択——
この3つが揃えば、むしろ「育休明けだからこそ得られるキャリアの気づき」があります。
・学会参加で得た専門性
・後輩との関係性が生んだ職場文化
・働き方を変えることで得た“新しい自分らしさ”
それらは、数値や昇格には現れない、あなたのキャリアの確かな一歩です。
読者のQ&Aコーナー【ここでしか得られない解答】
「育休明けに本当に働けるのか不安です」
「辞めたいと思う私は甘いのでしょうか?」
——理学療法士として復帰を考える中で、こうした悩みや不安を抱える方は決して少なくありません。
このQ&Aコーナーでは、実際の検索傾向や現役PTの声をもとに、よくある疑問に対し、他のメディアでは得られない具体的かつ実践的な解答をまとめました。
復帰後の判断、キャリア、生活リズムの整え方に悩む方は、ぜひ参考にしてください。
Q:「育休明け1か月で辞めても大丈夫?」
→ 最適タイミングとリスクを解説
育休明けに職場へ戻ったものの、「想像以上に育児との両立が難しい」「心身ともに限界」と感じて、退職を検討する方も少なくありません。
では、復帰後1か月で辞めるのはアリなのでしょうか?
法的・制度的には辞めても問題なし
育児休業後の退職は法律で制限されているわけではなく、自己都合退職が可能です。
ただし、注意すべき点がいくつかあります。
想定されるリスク
- 職場との関係悪化:特に中小規模施設では「戻ってきたのにすぐ辞めた」とネガティブに受け取られる場合があります。
- 転職時の印象:「すぐ辞める人」と見なされる可能性があるため、退職理由の説明を工夫する必要があります。
- 育児休業給付金の返還:育休取得後、早期に退職する場合は一部返還対象となる可能性も(雇用保険制度の規定を確認)。
ベストな退職タイミングとは?
- 復帰後3か月〜半年程度が無難
→職場側にも一定の配慮を示した上での退職として受け取られやすい - 人事異動のタイミング(年度末・期初)
→チームの再編時期であり、自然な流れでの退職が可能
どう伝えるべき?
- ネガティブな表現を避け、「やってみて気づいた課題」を誠実に伝える
- 「職場に迷惑をかけないように最善の方法を取りたい」と前向きに締める
例:「復職してみて改めて、家庭との両立が想定以上に難しいと実感しました。業務に支障が出る前に判断をした方が、職場にとってもご迷惑が少ないと考えました」
Q:「時短で学会発表もこなせる?」
→ スケジュールの立て方と効率化術
「復帰後もキャリアを積みたい」「学会発表に挑戦したい」——
そう願うPTにとって、時間的制約は最大のハードルになります。
とはいえ、時短勤務の理学療法士でも学会参加・発表を実現しているケースは多数あります。
具体的なスケジュール例(週4時短勤務のPTママの場合)
時期 | 内容 |
---|---|
育休中後半 | 過去症例の整理/先輩PTに方向性相談 |
復帰後1ヶ月 | スライド作成開始(1日30分) |
復帰後2ヶ月 | 発表練習をZoomで実施、保育園後の時間に録画確認 |
発表当日 | 午前のみ勤務→午後に会場参加、もしくはオンラインで発表 |
両立のコツ
- 1回あたりの作業時間は短く、でも毎日コツコツ
- パワーポイントのテンプレートや資料共有アプリを使って時短化
- チームで発表準備を分担する(例:データ収集は後輩、構成は自分)
管理者の理解を得るには?
- 発表内容が「病院全体の評価につながる」ことをアピール
- 事前に相談し、勤務時間調整や会場参加の許可を得る
実例:「時短勤務でも“結果を出せる人”という評価が付き、発表後に主任への昇格を打診された」(30代女性・急性期病院勤務)
Q:「子どもの急な病気で欠勤する頻度が激増。辞めたい…」
→ 実例と、乗り越えるための実践法
「また呼び出し…。もう職場に申し訳なくて限界です。」
そんな風に追い詰められてしまうPTも少なくありません。
事例紹介
30代女性PTは、育休明け半年で週に2回は子どもの発熱で欠勤。
何度も退職を考えたが、以下の工夫で状況を乗り越えたといいます。
実践した工夫
- 家族(祖父母・パートナー)と“当番制”で病児対応を分担
- 急な休み時には、引き継ぎメモを即共有(テンプレート化)
- 周囲のフォローに対し、毎回感謝と報告を欠かさず伝える
結果として、職場内でも「頑張ってる」「仕方ない」と温かく受け入れてもらえたことで、罪悪感が軽減され、仕事の継続が可能に。
限界を感じたら…
- 上司に「週5→週3勤務」など勤務日数変更を相談
- 一時的に非常勤へ切り替える(後に常勤復帰も可能)
- 病児保育やファミサポ制度の活用を検討
「一度“辞めたい”と思っても、それが“辞めるしかない”とは限らない。選択肢があると知るだけで気持ちは少し軽くなった」と語る声も。
このQ&Aからわかること
- 育休明けは、感情もスケジュールも不安定になりやすい時期
- でも「辞める」「続ける」の2択ではなく、“工夫と選択肢”で柔軟に乗り越えられる方法がある
- 今の不安は、他の誰かもすでに通ってきた道。情報を得て、周囲と共有しながら、一歩ずつ前に進めば大丈夫です。
このような悩みに直面したとき、「ここでしか得られないリアルな声と実例」が、読者の判断や選択の助けになることを願っています。
育休明け理学療法士のための「復帰チェックリスト」
育休明け、いざ復帰の時期が迫ると、「本当に今の職場に戻って大丈夫?」「時短制度って、どうやって申請するの?」「給料はどれくらい減るの?」など、さまざまな不安や疑問が一気に押し寄せてきます。
そのまま復帰すると「こんなはずじゃなかった」と後悔することも。
だからこそ重要なのが、事前に確認しておきたい“復帰チェックリスト”です。
ここでは、理学療法士が育休明けにスムーズかつ納得感をもって復職できるよう、「制度」「給料」「育児支援」「キャリア」までを網羅的に整理しました。
他サイトでは語られにくい具体的な確認ポイントや注意点も含めて解説していきます。
時短勤務制度の確認
復帰後にもっとも利用されるのが「時短勤務制度」。しかし、制度の内容や条件は職場によって大きく異なります。
【確認すべき項目】
- 1日の勤務時間の選択肢(例:6時間、7時間)
- 利用可能期間(子どもが〇歳まで?)
- 時短勤務者の役割や業務内容の制限(急性期担当不可など)
- 給与や賞与への影響
- 昇進・評価制度への反映
【注意点】
- 病院によっては「書類業務は時短対象外」とされることも
- 申請時期が復帰の1〜2ヶ月前に指定されているケースも多く、早めの確認・提出が必須
→ 「制度があるか」ではなく、「どう使えるか」を確認するのが重要です。
給料/ボーナスの具体的な予測
「時短勤務だと、どれくらい収入が減るの?」という質問は非常に多いです。
【モデルケース】
- 常勤時:月給28万円+賞与年2回(年間約70万円)
- 6時間勤務(7.5時間勤務の80%)に変更後:
→月給 約22.4万円(▲5.6万円)、賞与 約56万円(▲14万円)
年間で約80万円〜100万円の収入減となることも。
※扶養の範囲や社会保険・税の扱いによっては変動あり
【確認方法】
- 「育児短時間勤務手当」の有無(法人独自に支給される場合も)
- インセンティブ・成果給の対象になるか
- 賞与算定期間に時短期間がどう影響するか
→ 「働く時間が減る=比例して給料が減る」わけではなく、工夫次第で減収幅を抑えることも可能です。
職場の育児支援制度一覧
職場によっては、育児支援制度が意外に充実している場合がありますが、公表されていないことも多いため、自分で確認することが大切です。
【チェック項目例】
- 子どもの看護休暇(無給?有給?時間単位取得OK?)
- 保育料補助、病児保育費の補填
- 業務の調整制度(夜勤免除、会議免除)
- 職場復帰プログラムの有無(OJT制度、育休明け研修)
- パートナーの育休取得を推奨する文化や実績
【ヒント】
- 総務・人事課だけでなく、実際に育休から復帰した先輩PTにヒアリングするとリアルな情報が得られる
- 規定にないサポート(有志で送迎代行など)も存在することあり
研修・学会参加の意向
「復帰後はとにかく“無理をしない”ことを優先…」という考えも大事ですが、“学びを止めない”ことも長期的なキャリアには重要です。
【確認すべき内容】
- 研修会や学会参加の可否(時短でも出張扱いになるか)
- オンライン研修の受講支援
- 研修費用の補助制度(法人/学会/支部単位での補助金あり)
【活用できる制度例】
- 日本理学療法士協会の「eラーニングコンテンツ」
- 地域支部による復職支援研修(無料・短時間)
- 「育児中でも発表したい」PT向けのオンライン症例報告会(PTサク妻などの発信あり)
→ 「時間がない=学べない」ではなく、「学び方を変える」発想がキャリア継続のカギに。
キャリアパスの検討(病院・訪問・非常勤)
最後に、「そもそも今の働き方でいいのか?」を改めて見直すことも大切です。
育休明けは、働き方・職場・働く目的すら変化する転機になり得ます。
【選択肢別メリット・デメリット】
働き方 | メリット | デメリット |
---|---|---|
病院(急性期) | 専門性を活かせる/給与安定 | 残業・会議が多く柔軟性に欠ける |
訪問リハ | 時間・件数を調整しやすい | 天候・移動が負担になる場合も |
デイケア/通所リハ | 午前勤務で両立しやすい | 医療度の高い症例は少なめ |
非常勤 | 時間・曜日を自由に選べる | 社会保険・昇給が限定的なことも |
【キャリア再設計のヒント】
- 育休中に「どんな働き方なら続けられるか」をノートに書き出す
- 職場内異動を検討する(病棟→通所など)
- 転職を選ぶなら、「育児中の働き方実績がある職場」に絞って探す
まとめ|育休明けの理学療法士が後悔しないために
育休明けの復職は、不安と期待が入り混じるタイミングです。とくに理学療法士という専門職では、「職場の制度が使えるのか」「時短で本当に両立できるのか」など、事前に確認すべきポイントが多くあります。
本記事では、復帰前にチェックすべき項目を体系的にまとめ、給与や制度、キャリアパスまで幅広く解説しました。最後に、重要なポイントを以下に整理します。
復帰前に確認しておきたい重要ポイント【チェックリスト】
- 時短勤務制度の詳細を確認
→申請時期、利用可能期間、業務内容の制限などを事前に把握 - 時短による給料・賞与の減額をシミュレーション
→年間収入がどれだけ減るか、インセンティブ制度の有無も確認 - 職場にある育児支援制度を一覧で把握
→看護休暇の取得条件、研修参加支援、職場文化なども重要 - 復帰後の学び直し・研修参加の計画を立てる
→eラーニングや録画配信を活用してスキマ時間に対応 - 今後のキャリアパスを見直すタイミング
→病院・訪問・通所・非常勤など、働き方を柔軟に考える
これらを踏まえたうえで復帰準備を進めることで、「思っていたのと違った…」という後悔を防ぎ、自分らしい働き方とキャリアの継続が実現できます。
焦らず、でもしっかりと情報を集めて、あなたにとってベストな形で育休明けを迎えましょう。
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