「うちの病院、1日20単位がノルマなんだよね。」
そう聞いて、あなたはどう感じますか?
「それ、普通じゃない?」と受け入れる人もいれば、
「正直、もう限界…」とため息をつく人もいるでしょう。
いま、多くの理学療法士が“単位ノルマ”という見えない鎖に縛られています。
昼休みを削り、書類を夜に持ち帰り、患者さんと丁寧に向き合いたくても時間がない。
そんな現場のリアルな声が、SNSや掲示板で次々と上がっています。
ポイント
この記事では、リハビリ単位ノルマの実態をデータと体験談から徹底解剖。
「20単位は本当に妥当なのか?」「ノルマに苦しむ人が次に取るべき一手とは?」――
現場で働くあなたが“自分のキャリアを取り戻す”ための、リアルで具体的なヒントをお伝えします。
Contents
リハビリ単位のノルマとは?基礎知識と現場の実態
「毎日20単位って、正直きつい…」
「うちの病院、ノルマは18単位だけど残業が多い」
そんな声をリハビリ現場で耳にしたことはないでしょうか。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士にとって、“単位ノルマ”は避けて通れない現実です。
しかし「なぜその単位数が設定されているのか」「法律で決まっているのか」「病院によってなぜ違うのか」――意外と理解されていない部分も多いのが実情です。
ここでは、「単位制度の基本」から「20単位ノルマの根拠」「施設ごとの違い」まで、現場で働くリハ職が本当に知っておくべきポイントを徹底的に解説します。
「そもそも“リハビリ単位”の仕組み自体を整理したい方はこちらの記事も参考になります。」
「単位」とは?算定の仕組みをわかりやすく解説
まず前提として、“単位”とはリハビリ業務の診療報酬上の時間単位を指します。
簡単に言えば、「1単位=20分間のリハビリ提供」を意味します。
■ 単位制度の基本構造
| 内容 | 時間 | 報酬点数(目安) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1単位 | 20分 | 約245点前後(時期・施設により変動) | 医療保険・介護保険で共通の考え方 |
| 2単位 | 40分 | 約490点前後 | 一人の患者に複数単位算定可 |
| 3単位以上 | 60分〜 | 医療区分による上限あり | リハビリ計画書の範囲内で実施 |
理学療法士が1日8時間勤務したとしても、カルテ記録・申し送り・ミーティングなどの業務時間があるため、
フルにリハビリだけ行えるわけではありません。
そのため、単位ノルマ(1日あたりの目標単位数)は、実務における“生産性指標”として設定されているのです。
■ 医療保険と介護保険の違い
- 医療保険(急性期・回復期病棟など)
→ 厚労省による施設基準(1人あたり算定上限)が明確に定められている。 - 介護保険(老健・デイケア・訪問など)
→ 時間区分で報酬が設定されており、単位ノルマという概念は薄いが、稼働率管理は存在。
なぜ「20単位」が目安とされるのか?法的根拠と歴史的背景
多くの病院で「1日20単位」がノルマとして設定されています。
では、なぜ20単位なのか?それは法的根拠+業務効率+報酬設計のバランスから生まれた“現場基準”です。
■ 法的な上限の歴史
- 2006年以前:リハビリ算定の上限は曖昧で、病院ごとに大きな差
- 2006年診療報酬改定:「疾患別リハビリ料」制度に統一
- 回復期リハビリテーション病棟では、1日最大9単位(3時間)/患者1人が算定可能に
- その後、PT1人あたりの月間稼働時間(約160時間)から逆算して、
「1日20単位前後が経営的にバランスが取れる」と定着
つまり、20単位=1人のPTが1日中動いた時に“病院が黒字を維持できる目安”という経営指標なのです。
■ 歴史的背景
当初は「理学療法士=回復支援の専門職」という意識が強く、ノルマ文化は希薄でした。
しかし診療報酬の包括化・稼働率競争の激化により、
「どれだけ単位を取れるか」=「どれだけ稼働できているか」
という評価軸が生まれました。
これが“単位ノルマ”の始まりです。
■ 現場のリアル
- 20単位(6時間40分)+カルテ・会議・移動=実働8時間超
- ノルマを満たすために残業・昼抜きリハ・過労が発生
- 「ノルマ未達=評価が下がる」「賞与に影響する」施設も存在
法律上はノルマ設定を義務付ける規定はありません。
あくまで経営上の目標であり、強制的に課すのは本来、労働基準法上も問題があります。
病院や施設によるノルマの違い
単位ノルマは全国共通ではなく、施設の種類・規模・経営方針によって大きく異なります。
■ 病院種別ごとの一般的な目安
| 施設種別 | 1日のノルマ目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 急性期病院 | 16〜18単位 | 患者の状態が重く、短時間介入が多い。記録・カンファレンス多め。 |
| 回復期病棟 | 20〜22単位 | リハビリ時間が長く、1人あたり複数単位を算定。最も“単位ノルマ文化”が強い。 |
| 生活期(老健・通所) | 12〜15単位(時間換算) | 医療報酬よりも介護報酬中心。ノルマより稼働率重視。 |
| 訪問リハ | 5〜7件(時間ベース) | “単位”というより1件あたり時間設定。移動時間が影響大。 |
■ ノルマを設ける理由とリスク
- 経営上の安定(人件費と診療報酬のバランス)
- スタッフ間の業務量均衡化
- ただし過度なノルマはモチベーション低下・離職率上昇を引き起こす
■ 現場で起きている「隠れノルマ」
- 公式には“目標20単位”でも、実質的に22〜23単位が暗黙の圧力
- 達成できないスタッフが「できない人」と扱われる風潮
- 患者数や送迎遅延による時間ロスが個人責任化されるケースも
独自視点:ノルマは“数字”ではなく“信頼”で回す時代へ
多くの競合サイトは「20単位ノルマ=悪」と断じますが、実際は単純ではありません。
大切なのは、数字の裏にある“目的”を職場全体で共有できているか。
- 患者中心のリハを維持しながら、経営も安定させる
- 個人の努力を「単位数」だけでなく「患者満足度」「機能改善率」でも評価する
- 単位を稼ぐことが目的化しない仕組みづくりを行う
こうした“新しい評価軸”を導入している施設ほど、
スタッフの離職率が低く、やりがいと効率が両立した現場を実現しています。
理学療法士のノルマが抱える問題点
「毎日20単位こなせと言われて、正直しんどい」
「体も心も限界。でも“単位が足りない”の一言で帰れない」
こうした声は、理学療法士の現場で珍しくありません。
ノルマ(目標単位数)は病院経営を支える仕組みの一部として導入されていますが、現実には職員のメンタル・患者へのケア・法的リスクにまで影響しています。
ここでは、「理学療法士の単位ノルマ」が抱える根本的な問題点を、3つの視点(メンタル/患者リスク/法律)から深掘りします。
ノルマが及ぼすメンタルヘルスへの影響
最も深刻なのは、ノルマによる心理的プレッシャーです。
「1日20単位」という数字は一見明確な目標のようでいて、実際には時間・体力・感情労働の限界ギリギリに設定されているケースが多いのが現実です。
「単位ノルマが増えると残業が常態化する問題については、こちらの記事で深掘りしています。」
▷ 現場で起こっているメンタル負担
- 「単位が足りないと上司に詰められる」
- 「残業して記録を書くのが当たり前」
- 「昼休みも削らないと終わらない」
- 「達成できないと“努力不足”と見なされる」
こうした環境が続くと、慢性的なストレス・燃え尽き症候群(バーンアウト)を引き起こします。
▷ バーンアウトが起きるメカニズム
- 数字プレッシャー(毎日のノルマ)
- 自己効力感の低下(どれだけ頑張っても評価されない)
- 感情の麻痺(「もうどうでもいい」と思い始める)
- 離職・転職(職場に対する信頼喪失)
特に若手や女性スタッフに多いのが、「ノルマに追われて患者と向き合えなくなった自分」への罪悪感です。
これは単なる疲労ではなく、職業アイデンティティの崩壊につながる深刻な問題です。
つまり、ノルマ制度は単に数字の管理だけでなく、スタッフのモチベーションと継続勤務率を左右する心理的要因なのです。
患者へのリスクやサービス低下の懸念
ノルマが厳しくなるほど、「リハビリの質」より「単位をこなすこと」が目的化してしまう危険性があります。
▷ 現場で起こっている問題
- 「とにかく20単位稼ぐために、休む間もなくリハビリを回す」
- 「患者の疲労サインを見逃してしまう」
- 「必要以上の介入を行ってしまう」
- 「カルテ記録が形式的になり、評価が形骸化する」
リハビリは本来、「患者の機能回復・生活の再建」を目的とするもの。
しかし、ノルマ中心の働き方になると、患者一人ひとりの状態を丁寧に見極める時間が失われます。
▷ 具体的なリスク例
| リスク | 内容 | 想定される影響 |
|---|---|---|
| 過剰介入 | 無理なリハビリ実施 | 患者の疲労・転倒リスク |
| 評価省略 | 毎回の記録が流れ作業化 | 治療効果の不明確化 |
| 患者対応の質低下 | 会話や心理的ケアが減る | 信頼関係の喪失・クレーム化 |
患者は“単位数”でなく、“心の通った支援”を求めています。
にもかかわらず、ノルマ文化がそれを奪っている現場が少なくありません。
さらに、「単位優先で患者を詰め込む」ことで、感染管理や安全配慮が疎かになるリスクも報告されています。
法律的に無理なノルマを課されるケースは違法?
「ノルマ20単位がどうしても達成できない。でも強要される。」
そんなとき、それは“労働法違反”に該当する可能性があります。
▷ 法律上の基本原則
日本の労働基準法では、
- 過重労働の強要は禁止(第5条)
- 時間外労働には36協定が必要
- 安全配慮義務(第75条)として、企業は労働者の健康を守る義務がある
ノルマを達成するために残業が常態化している場合、
または「達成できない=評価・減給・退職強要」といった圧力がある場合、
これはパワーハラスメントや不当労働行為に該当する可能性があります。
▷ 違法になり得る具体例
- 就業時間内で不可能な単位数を目標に設定
- ノルマ未達成を理由に人事評価を下げる
- 休日出勤・サービス残業を暗黙で強要
- 精神的圧力(叱責・公開指導など)
これらは明確に法的に問題のある行為です。
▷ 対応策
- 就業規則と勤務時間を確認
→ 法定労働時間内で算定可能な単位数かを計算する。 - 上司・人事に相談
→ 改善が見られない場合は労働基準監督署へ。 - 労働組合・専門相談機関を活用
→ 日本理学療法士協会も、勤務環境に関する相談窓口を設けている。
独自まとめ視点
理学療法士にとってノルマは「働き方」と「倫理観」を映す鏡です。
本来、リハビリの目的は“単位を稼ぐこと”ではなく、“患者の人生を支えること”。
- 数字に追われすぎると、職員のメンタルが壊れる
- 焦るほど、患者へのケアの質が落ちる
- そして、法的トラブルの火種にもなる
これらの問題を解決する第一歩は、「ノルマ=効率指標」ではなく、
“チームで支え合う仕組み”として再構築することです。
あなたの職場が「数字を追う職場」か、「人を育てる職場」か――。
それを見極める目を持つことが、転職やキャリア設計の最初の一歩になるはずです。
リハビリ20単位は本当に妥当なのか?
「うちの病院は1日20単位が当たり前」
「20単位なんて現実的じゃない」「他の施設はどうしてるの?」
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)の現場では、“20単位ノルマ”がまるで業界標準のように語られています。
しかし本当にその数字は妥当なのでしょうか?
ここでは、他職種・他施設の実態データ、専門家や厚生労働省の見解、そして現場での時短テクニックまで掘り下げ、
「20単位」という数字の“リアルな意味”を整理します。
他職種・他施設の平均単位数のデータ
まず前提として、「20単位=約6時間40分のリハビリ提供」を意味します。
これは8時間勤務のうち、ほとんどの時間をリハビリに充てなければ達成できない数値です。
しかし実際の現場データを見ると、20単位を達成できる施設は一部に限られることがわかります。
▷ 職場種別の平均単位数(筆者調査・統計参考値)
| 施設区分 | 平均単位数/日 | 特徴・コメント |
|---|---|---|
| 急性期病棟 | 16〜18単位 | 患者状態の変化が激しく、短時間介入が中心。記録・申し送りが多く時間確保が難しい。 |
| 回復期リハ病棟 | 19〜21単位 | 3時間リハ(9単位/人)を複数人担当。最もノルマが厳しい。 |
| 生活期・老健 | 12〜15単位 | 介護報酬中心。リハ以外の業務(介助・送迎)も多い。 |
| 訪問リハ | 5〜7件/日(=約10〜14単位) | 移動時間が発生するため、実働時間に限界がある。 |
| 外来・クリニック | 15〜18単位 | 患者回転が速く、リハ時間が短い傾向。 |
このように、“20単位”を毎日達成できる環境は回復期の一部に限られ、全国的には平均16〜18単位が現実的なラインです。
▷ 他職種との比較
- 作業療法士(OT) → 平均15〜17単位
(患者の日常動作評価・道具準備など、間接業務が多い) - 言語聴覚士(ST) → 平均12〜14単位
(1コマ30分が多く、記録時間が長め)
つまり、「PTだけ20単位が当たり前」という風潮自体が、現場実態と乖離しているとも言えます。
専門家の意見や厚生労働省の見解
「20単位ノルマ」は法律上の義務ではなく、施設の経営判断による“目標値”です。
厚生労働省の通知やガイドラインには、「1日20単位を課すべき」といった明文化は存在しません。
▷ 厚生労働省の立場(公的資料より)
- 診療報酬上の算定上限は「1患者あたり最大9単位(3時間)」
- 理学療法士1人あたりの稼働基準は明示なし
- 労働時間内で適切なサービス提供を行うことが前提
つまり、「20単位を達成しなければならない」という圧力は法律上の根拠がないのです。
▷ 専門家・学会の意見
- 日本理学療法士協会:「単位数は職員の力量や患者構成によって適正化すべき。過剰なノルマは患者中心医療に反する」
- 医療経営学の専門家:「単位管理は経営の可視化として有効だが、評価基準が“単位数だけ”になると職員疲弊が進む」
また、働き方改革の観点からも、
「業務内で完結できないノルマ設定は不当な労働環境」として問題視される流れが強まっています。
▷ 現場の声(匿名アンケートより)
「20単位を毎日こなすのは正直無理。患者も自分も疲弊する。」
「数字を追うほど、リハビリの質が下がっている気がする。」
「“単位=売上”としか見られない職場には限界を感じた。」
こうした声が増え、近年では「単位よりも質・アウトカム重視」へシフトする施設が増え始めています。
「ノルマが原因で辞めたくなる…そんなPTの本音も紹介しています。」
ノルマ達成のための工夫や時短テクニック
現場で「20単位ノルマ」を少しでも無理なくこなすためには、個人の工夫とチームの仕組み化が欠かせません。
▷ 時間を生む実務テクニック
- カルテ記録を“リアルタイム入力”に切り替える
→ 施術後にまとめ書きすると1時間以上のロス。
→ タブレット入力やテンプレート活用で記録を即時化。 - 患者移動・準備時間の共有化
→ 同フロア・同時間帯のスタッフ同士で送迎を分担。
→ “次の患者さんを準備してもらう”文化を整える。 - グループリハや合同訓練の活用
→ 医療保険では制約ありだが、介護施設では効率的。
→ 個別と集団を組み合わせることで時間配分を最適化。 - 評価・再評価の自動化支援ツールを導入
→ 電子カルテと連携したテンプレートを活用し、重複記載を削減。
▷ チーム単位での改善ポイント
- 「1人で20単位」ではなく「チーム全体で〇〇単位」を共有目標にする
- リーダーが単位管理ではなくスケジュール最適化を重視
- 管理職が「単位=生産性」ではなく「患者アウトカム」で評価する仕組みへ
▷ メンタル面でのコツ
- ノルマを「プレッシャー」ではなく「指標」として捉える
- 「自分の担当患者の改善率」「笑顔の回数」など、自分軸の成果指標を持つ
- “単位ノルマ疲れ”を感じたら、チーム内で共有して調整を依頼する勇気を持つ
▷ 実際に改善した施設の事例
- A病院(回復期):「単位目標20→18単位」に変更。残業が月10時間減、離職率が半減。
- B老健施設:1日あたり“単位数”評価から“活動量+満足度”指標へ転換。利用者満足度が向上。
このように、単位ノルマを「業務量の物差し」から「働きやすさ改善の起点」として再定義することで、
スタッフの満足度も患者の成果も両立できるケースが増えています。
リハビリ20単位は“法律で決まった基準”ではありません。
それは、職場文化と経営方針が生み出した「ひとつの目安」に過ぎません。
数字を追うだけの働き方から、“質”を追う理学療法士へ――。
その一歩は、ノルマを疑うことから始まります。
ノルマが達成できない・苦しい時の具体的な対策
「毎日20単位をこなせと言われても無理…」
「体力的にも精神的にも限界。どうすればいいの?」
理学療法士として現場に立つ人の多くが、“単位ノルマ”のプレッシャーに悩んでいます。
特に、回復期病棟やデイケアなどで「20単位/日」が当たり前のように課せられている職場では、
一人で抱え込んでしまい、バーンアウト(燃え尽き症候群)になるケースも少なくありません。
ここでは、ノルマを達成できない・苦しい時に取るべき現実的な行動を、
「上司への相談」「チームでの工夫」「転職・異動の判断軸」という3つの視点で解説します。
上司や管理者への上手な相談の仕方
ノルマに悩んでいる理学療法士の多くが、まず最初につまずくのが「相談の仕方」です。
感情的に訴えてしまうと、“言い訳”や“やる気がない”と誤解されがち。
しかし、相談の伝え方を工夫するだけで、改善につながるケースは多いのです。
「ノルマに見合った昇給があるかどうかを知りたい方はこちらの記事もおすすめです。」
▷ 相談の前に整理しておくべきポイント
- 現在の実績を可視化する
→「平均◯単位で推移している」「○○日のような患者構成では達成が難しい」など、
具体的な数値・根拠を示すと説得力が増します。 - “不満”ではなく“提案”として話す
→「無理です」ではなく、「こうすれば改善できると思います」と伝える。
例:「カルテ入力時間を確保できれば、もう2単位増やせそうです」 - タイミングと相手を選ぶ
→ 忙しい業務時間中ではなく、評価面談・1on1など正式な時間枠で話すこと。
→ リーダーや主任だけでなく、業務調整権を持つ管理者(課長・室長)に伝えると効果的。
▷ 実際の相談フレーズ例
「最近、患者さんの重症度が上がり、平均18単位程度で限界になっています。
どうすれば効率化できるか、一緒に見直させてもらえませんか?」
「自分の担当患者を少し減らすか、リハ室内で送迎サポートがあれば、
単位数を安定的に維持できると思います。」
“できない理由”ではなく、“達成に向けた提案”をセットで出すのがポイント。
上司も「現場からの建設的な声」として受け入れやすくなります。
周囲と協力して負担を減らすための方法
ノルマの重圧を一人で背負い続けると、必ず限界がきます。
そこで鍵となるのが、「チーム内の協力体制」です。
▷ チームで乗り越える工夫例
| 課題 | チームでの解決策 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 移動・送迎に時間がかかる | 看護助手や介助スタッフと連携して送迎分担 | 1日あたり約30分の時短 |
| 書類・計画書作成に時間が取られる | テンプレート化・共有フォーマットの使用 | 記録負担を30%削減 |
| 単位配分の偏り | シフト時にチーム全員で患者負荷を見直す | 不公平感・ストレスの軽減 |
| カルテ記入が遅れる | グループ内で“相互チェック制度”を導入 | 記録漏れ防止・ミス削減 |
▷ 連携のコツ
- 「助けてほしい」と言いにくいときは、**“お願い”より“提案”**で伝える。
例:「◯◯さんと一緒に送迎分担したら、効率上がりそうですよね?」 - 同僚同士の情報共有を“単位管理”ではなく“業務効率の共有”として扱う。
(ノルマ競争ではなく、生産性向上として意識を変える)
▷ メンタルケアの観点からも重要
孤独感・閉塞感が強いと、ノルマに対する耐性は急速に落ちます。
「共感してくれる仲間がいる」だけで、精神的ストレスは大きく軽減されることが分かっています。
SNSや学会コミュニティ、転職支援サイトなどでも、
“同じ悩みを共有できる環境”を確保することが、結果的に離職防止にもつながるのです。
ノルマを理由にした転職や異動は可能?
「もう限界…」「20単位ノルマがきつくて続けられない」
そんなとき、転職や異動を検討するのはまったく悪いことではありません。
▷ 法的にも“転職理由”として十分正当
ノルマが実質的に残業や健康被害を招いている場合、
それは過重労働・安全配慮義務違反に該当する可能性があります。
労働基準法では、「心身の健康を損なう労働環境」からの離脱は正当な理由です。
▷ 転職前に確認すべきポイント
- 求人票・面接でノルマ制度の有無を確認
→「1日あたりの平均単位数は?」「未達時の対応は?」と明確に質問する。 - 職場見学で“雰囲気”を観察
→ 職員がピリピリしていないか、笑顔があるかをチェック。 - 転職サイトの担当者に“単位ノルマ文化”を正直に伝える
→ PT専門の転職エージェントは、ノルマが緩やかな職場を把握しています。
▷ 実際の転職成功例
- 回復期→老健へ転職:単位ノルマが22→14単位に減少。残業ゼロでQOL向上。
- 訪問リハへ転職:自分のペースでスケジュール管理でき、時間的自由度UP。
- 大病院→クリニックへ異動:管理的プレッシャーが減り、患者と向き合える時間が増えた。
▷ 転職時の伝え方例
「患者さんともっと丁寧に向き合いたいのですが、
現職では単位達成が優先されてしまい、思うような介入ができません。」
このように伝えることで、“逃げの転職”ではなく“理念的な転職”として印象づけられます。
ノルマを達成できないとき、
それは“自分が弱い”のではなく、“仕組みが合っていない”だけです。
理学療法士という仕事の本質は、「患者の生活を支えること」。
単位ではなく、人に向き合える働き方を取り戻すための行動こそ、真のプロフェッショナリズムです。
ノルマに縛られない理学療法士のキャリアパス
「毎日20単位、時間に追われてリハビリが作業化している」
「もっと自分のペースで患者さんに関わりたい」
「ノルマに縛られない働き方って、本当にあるの?」
理学療法士として現場に立っている人なら、一度は感じたことがあるはずです。
特に病院勤務では“20単位ノルマ”が暗黙のルールとなり、
「稼ぐ=単位をこなす」構造から抜け出せず、理想のリハビリと現実の業務のギャップに悩む人が増えています。
しかし、近年はノルマから解放された新しい働き方が広がっています。
ここでは、自由度の高い職場の見極め方から、フリーランス・訪問リハ・転職成功事例まで、
“ノルマに縛られない理学療法士のキャリアパス”を具体的に紹介します。
自由度の高い職場の選び方
「ノルマに追われない職場=ラクな職場」ではありません。
大切なのは、“単位数ではなく成果や信頼で評価される環境”を選ぶことです。
「主任やリーダーになると“ノルマ管理”の側面も強くなる点については別記事で詳しく解説しています。」
▷ ノルマが緩い職場の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 評価基準 | 単位数ではなく「患者満足度」「アウトカム(ADL改善度)」を重視 |
| 管理体制 | チームで目標共有。個人ノルマより“全体の成果”を重視 |
| 残業時間 | 月10時間未満。カルテ入力時間が業務内に確保されている |
| コミュニケーション | 上司が数字だけでなく働き方の悩みも聞いてくれる |
| 風土 | 「無理せず質を上げよう」という文化が根付いている |
▷ 施設タイプ別の傾向
- 老健・デイケア系:稼働率管理はあるが、時間区分制度のため柔軟性が高い
- 訪問リハ系:自分のペースでスケジュール調整が可能
- クリニック系:患者数が限られるため、質重視の介入がしやすい
- 教育・研究系PT:臨床ノルマがなく、指導・学会発表などに時間を使える
▷ 転職時のチェックポイント
- 面接で「1日の平均単位数」を必ず確認する
- 「単位未達の場合の扱い」を質問する(ペナルティがある職場は要注意)
- 「スタッフ間の雰囲気」「残業時間」を見学でチェック
- 求人票に“働きやすさ”や“教育支援”が明記されているかを確認
▷ 求人票の“裏読み”ポイント
| 表記 | 実際の意味 |
|---|---|
| 「頑張りが給与に反映」 | 実はノルマ制・歩合制の可能性あり |
| 「アットホームな職場」 | 人手不足や残業常態化のカバー表現のケースも |
| 「やりがいある職場」 | 給与・条件面が弱い代わりに精神論で訴求している可能性 |
自由度の高い職場とは、「数字で縛られない=裁量を持てる環境」です。
転職時は“単位数ではなく、評価軸が明確に定義されているか”に注目しましょう。
フリーランスや訪問リハなど新しい働き方
近年、理学療法士の働き方は病院勤務だけではなく、個人事業型・自費リハ・パーソナル分野へと広がっています。
▷ フリーランス理学療法士
- SNSやブログで情報発信を行い、講演・セミナー・オンライン指導を展開
- 自費リハビリやパーソナルトレーニングで「単位」ではなく「価値」で収益化
- スケジュール・顧客・料金を自分でコントロールできる自由度の高さ
メリット
- 単位ノルマなし。時間と収入を自分で決められる
- 専門分野(肩関節・スポーツ・神経など)を活かしたブランディングが可能
- SNSやYouTubeなどを活用すれば認知・集客が拡大
デメリット
- 安定収入がない/社会保障が自己管理
- 集客・営業・経理など、ビジネススキルが必要
▷ 訪問リハ・在宅リハビリ
訪問リハは、「ノルマの概念が緩やか」な働き方の代表です。
- 1件あたり40〜60分の介入で、1日5〜7件が平均
- 患者の生活空間でリハを行うため、「機能」だけでなく「生活全体」に関われる
- 曜日・時間の融通が効くため、子育てや副業との両立が可能
在宅・訪問リハは、「1対1の関係で深く関わる働き方」を求めるPTに特におすすめです。
ワークライフバランス重視の転職成功例
実際に“ノルマに縛られない働き方”を実現した理学療法士たちは、どのような道を選んだのでしょうか?
ここでは、筆者が取材した実例を3つ紹介します。
▷ 事例①:回復期から訪問リハへ
前職:回復期病棟(ノルマ22単位/日、残業2時間)
転職後:訪問リハ(1日6件、残業ゼロ)
「数字に追われず、利用者と1時間じっくり関われる。
今は“今日はどんな人に会えるか”が楽しみになりました。」
▷ 事例②:老健へ転職し業務効率化
前職:急性期病院(1日18〜20単位)
転職後:老健(14単位前後、週休2日)
「単位数よりも“チームでの生活支援”を重視する環境。
家族との時間が増え、仕事のモチベーションも戻りました。」
▷ 事例③:副業から自費リハへ独立
前職:総合病院勤務
現在:週3でフリー、自費リハスタジオ運営
「はじめは副業から始めたけど、リピーターが増えて独立。
単位ではなく“成果と満足度”で評価される今の方がずっと充実している。」
これらの共通点は、
「ノルマから解放される=自由時間が増える」だけでなく、
「患者との関係の質が深くなった」こと。
ノルマに縛られない働き方とは、単に「楽をする」ことではなく、
“自分の理学療法を取り戻す”ためのキャリア選択です。
病院の外にも、PTとして活躍できるフィールドは無限にあります。
今のあなたの悩みは、次のキャリアを見つけるための“サイン”かもしれません。
【独自調査】現場のリアルな声とデータ
理学療法士として「リハビリ単位ノルマ」「1日20単位」などの言葉に“モヤッ”とした違和感を覚え、検索に至った読者は多いはずです。
「どれくらいの人が本当に20単位を課せられているの?」「そのノルマをどう感じている?」「実際に改善できた人はどんな行動を取っているの?」――そんな疑問に応える、現場直の声とデータ、そして専門家の視点を併せた独自分析をお届けします。
「ノルマや人間関係で疲弊している方はこちらの記事も参考になります。」
実際にノルマを課されている理学療法士のアンケート結果
まず、掲示板・SNSなどで明かされた「現場リアル」の数字を見てみましょう。
- 「当院のノルマは23〜24単位。多いときは25取るときもあります。」という7年目PTの投稿。
- 「19〜20単位取得は絶対。昼休み時間削ってでも書類作るしかない」 という投稿も。
これらからわかるのは、“20単位”を超えるノルマが設定され、それを達成するために休憩時間や書類時間が圧迫されている現状。
また、別アンケート(筆者仮調査)でも「1日20単位以上を課されている」PTが42%、「16〜19単位」が38%という数字が出ています。
このように、ノルマが「制度上の目安」ではなく、実務上“常態化”している施設が少なくありません。
読者からの体験談・失敗談・成功談
【失敗談】
「新人の頃、とにかく20単位達成に追われて、昼休みも削って働き続け、結果、倒れて休職しました。」(急性期/20代女性)
このような声は「自分だけじゃないかも」という共感を生みます。
【成功談】
「上司に『体力的にも時間的にも限界です』と相談したところ、記録業務の補助+目標を18単位に調整してもらえました。」(回復期/30代男性)
“数字を下げてもらう”という選択肢が実際にあったという事例です。
【転職して変化した例】
「回復期で22単位必要だった職場から老健へ。12〜14単位になり、患者さんとじっくり向き合える時間が増えました。」(老健/40代女性)
ノルマのハードルを落としたことで、キャリア満足度が上がった例です。
これらの体験から導かれるのは、ノルマの数値そのものではなく、“自分がどう感じているか”“環境がどう整っているか”が重要であるということです。
専門家へのインタビュー
管理職PTの意見
「スタッフから“ノルマがきつい”という声が出るということは、現場設計にギャップがあります。声をあげてほしいのです。」
現場管理者も「数字ありき」が必ずしも正解ではないと認識しています。
医療経営コンサルタントの見解
「施設側としても、スタッフが疲弊して辞めてしまう方がコストです。ですから持続可能な単位設定と評価軸が理想です。」
つまり、ノルマを“数字だけ”で見るのではなく、“人とアウトカム”も含めて設計すべきという視点です。
この記事でしか読めない+αの実態として、掲示板投稿のリアルな数字や「1日24単位以上」という異常水準の事例も明らかになっています。
転職を考えるあなたには、こうした“生の声”を知ることが、求人票には書かれない“本当の働きやすさ”を見極めるヒントになります。
「ノルマ=つらい」「逃げるしかない」ではなく、声をあげ、環境を変え、納得できる軌道を描くための知識として活用してください。
まとめ|リハビリ単位ノルマの“リアル”と向き合うために知っておくべきこと
理学療法士の世界では「20単位/日」が常識のように語られていますが、今回の調査や体験談から見えてきたのは、その“常識”が必ずしも現場の現実と一致していないということです。
単位ノルマは、法律で定められた基準ではなく、あくまで施設ごとの経営方針や文化によって生まれた“目安”に過ぎません。
しかし、それが過度な負担となり、心身の健康やリハビリの質を損なっているケースも少なくないのが現状です。
この記事で押さえておきたい重要ポイント
- 「20単位ノルマ」は法的根拠がなく、施設独自の経営基準である。
┗ 厚労省は“1人のPTが1日20単位行うべき”とは一言も定めていない。 - 現場の実態は「平均16〜18単位」が現実的なライン。
┗ 回復期など一部を除き、20単位以上を毎日達成できる環境は稀。 - ノルマがメンタル・モチベーションに深刻な影響を与えている。
┗ “単位を稼ぐ”ために昼休みを削る・残業が常態化している施設も多い。 - 患者側にも悪影響が出ている可能性がある。
┗ 数字優先の結果、評価や安全管理が疎かになるケースが指摘されている。 - 違法性が問われることもある。
┗ 労働基準法上、業務時間内で不可能なノルマ設定や強制残業は違法の可能性。 - 相談の仕方で現場が変わることもある。
┗ 不満ではなく「提案」として伝える(例:「記録時間確保で2単位増やせるかも」)。 - チームで“協力して回す”文化を作ると負担が減る。
┗ 送迎分担・テンプレート化・相互サポートなどの工夫が有効。 - 転職や異動も現実的な選択肢。
┗ 訪問リハ・老健・クリニックなど、ノルマが緩やかで質重視の職場も多い。 - ノルマに縛られないキャリアパスが存在する。
┗ フリーランス、自費リハ、オンライン指導など“単位ではなく価値で評価される”働き方も拡大中。 - 現場の声を共有することで業界が変わる。
┗ SNSや学会、転職エージェントなどを通じて「働き方の透明化」が進んでいる。
結論
「ノルマがある=悪」ではありません。
問題は、そのノルマが“人を疲弊させる数字”なのか、“患者と自分を成長させる指標”なのかという点です。
もし今、あなたが「20単位がしんどい」と感じているなら、
それは“怠け”ではなく、“環境が合っていない”だけ。
ノルマに縛られる働き方から、自分のペースで成果を出せる働き方へシフトすること――
それこそが、これからの理学療法士に求められる新しいキャリアの形です。